はじめに|部活が忙しくてインターンに行けなくても、就活を進める道はある
「試合も合宿もあって、インターンに行く時間がない。でもインターンは全日程参加できないと選考に通らないらしい」
部活に打ち込む大学3年生から、よく聞く悩みです。同期がインターンの話をしているのを聞くと、自分だけ取り残されたように感じるかもしれません。
結論から言うと、部活が忙しくて数日がかりのインターンに出られなくても、部活と両立しながら就活を進める道はあります。
理由は3つあります。1つ目は、インターンへの参加は本選考を受ける条件ではないからです。2つ目は、1日で終わるインターンやオンライン開催、オフシーズン・引退後の開催など、部活を休まずに参加できる形があるからです。3つ目は、部活に打ち込んだ経験は、ESや面接で話せる材料になるからです。
この記事では、部活を続けながら使える3つのルートと、部活の経験をESに書くときの書き直し例、合宿・試合とインターンがかぶったときの決め方を紹介します。
結論|部活が忙しい人が使える3つのルートと、やっておくべき1つのこと
ルート① 1日で終わるインターンで業界を比べる
ルート② オンライン開催を使う
ルート③ 5日以上のインターンはオフシーズンと引退後に回す
そして、どのルートでも共通してやっておくべきなのが「部活の経験をESで伝わる形にしておくこと」です。
ルートを選ぶ前に、まずインターンの種類を整理しておきます。
まず整理|インターンは長さで3種類に分かれる
部活が忙しい人が狙うべきインターンは、長さで決まります。
同じ「インターン」でも、日数によって参加の条件も、選考との関係もまったく違うからです。
種類 | 特徴 | 部活が忙しい人にとって |
1日で終わるインターン | 企業や仕事の説明が中心。先着順や簡単な応募で参加できるものが多い | 参加しやすい。業界を比べるのに向いている |
5日以上のインターン | ESや面接の選考がある。全日程参加が前提。条件を満たすと、参加中の評価を採用選考に使える | シーズン中は難しい。オフシーズン・引退後に狙う |
数か月の長期インターン | 週に数日、社員に近い形で働く。給料が出るものが多い | シーズン中はほぼ無理。引退後の選択肢 |
「行けない」と悩む対象になっているのは、主に5日以上のインターンです。1日のインターンなら、部活と両立できる可能性は十分にあります。
「全日程参加できないと選考に通らない」は本当か
5日以上のインターンについては、基本的に本当です。だからシーズン中は、最初から別の形のインターンを狙ってください。
5日以上のインターンはチームで課題に取り組む形が多く、途中で抜ける人がいると成り立たないからです。多くの企業は応募の段階で参加できる日程を確認しており、全日程に出られない人は選考の対象から外れやすくなります。
たとえば、応募フォームに「参加可能な日程」を選ぶ欄があり、合宿とかぶる日があれば、その時点で応募できないことがあります。
ここでやってはいけないのが、「全日程参加できる」と偽って応募することです。当日に抜けることになれば、企業にもチームのメンバーにも迷惑がかかり、その企業からの印象を損ないかねません。シーズン中に無理をするより、次の3つのルートに切り替えましょう。
ルート① 1日で終わるインターンで業界を比べる
部活のシーズン中は、1日で終わるインターンで業界を比べることに集中してください。
1日なら、練習が休みの日や授業のない日に参加できるからです。業界や仕事の中身を知るという目的なら、1日のインターンでも十分に役立ちます。
1日のインターンは平日に開かれるものが多いので、練習オフの曜日と授業の空きコマを先に書き出し、そこに入るインターンを探すのが現実的です。たとえば「練習オフの月曜日を就活の日にする」と決めておくと、予定を組みやすくなります。
1日のインターンは、いくつもの企業を比べて志望業界を絞るのに向いています。5日以上のインターンに1社出るのと同じ日数で、複数の業界を見比べられるのが強みです。
ルート② オンライン開催を使う
移動の時間が取れないなら、オンライン開催のインターンを使ってください。
会場までの移動がないので、練習の前後や遠征先の宿からでも参加できるからです。
たとえば、午前練習のあとの午後だけ参加する、遠征先の宿で夕方からのインターンに出る、といった使い方ができます。録画した動画を好きな時間に見られる企業説明を用意している企業もあります。ただし、オンラインでもグループワークがある回は途中で抜けられないので、終了時刻と通信環境は事前に確認しておきましょう。
移動がないだけで、使える時間は大きく増えます。シーズン中の就活は、オンラインを基本に組み立てると両立しやすくなります。
さらに時間を減らしたいなら、企業のほうから声がかかるスカウト型のサービスを使う手もあります。プロフィールを一度登録しておけば、練習や移動のあいだも企業からのオファーを受け取れるので、自分で探す時間を減らせます。
ルート③ 5日以上のインターンはオフシーズンと引退後に回す
5日以上のインターンに出たいなら、オフシーズンと引退後に照準を合わせてください。
インターンは夏だけでなく、秋から冬にかけても開かれるからです。シーズン中に出られなかった人でも、オフシーズンなら全日程の参加を約束しやすくなります。
ただし、いつ引退するかで使える時期が変わります。
引退の時期 | 5日以上のインターンを狙う時期 | 引退後の動き方 |
3年生の秋〜冬に引退 | 引退直後の秋冬インターン | 秋冬インターンと早期選考に集中する |
4年生の春以降に引退 | 3年生のオフシーズン(冬〜春休み) | インターンはほぼ終わっているので、本選考・通年採用・体育会向けの選考イベントに切り替える |
4年生で引退する人にとっては、3年生のオフシーズンが5日以上のインターンに出られる数少ない時期になります。オフシーズンの日程が分かった時点で、その期間に開かれるインターンを探しておきましょう。
引退後は、ES・面接・企業選びを短い期間でまとめて進める短期決戦になります。一人で全部を抱えず、就活のプロに相談しながら進めるのも一つの方法です。
部活で「外せない日」を先に書き出す
就活の予定を入れる前に、部活で絶対に外せない日を先に書き出してください。
外せない日が決まれば、残りの日に就活を寄せられるからです。反対に、就活の予定を先に入れると、あとから試合や合宿とかぶって慌てることになります。
たとえば、次のような日は多くの部で外しにくい日です。
公式戦・大会と、その直前の練習
合宿・遠征
部の方針を決めるミーティングや、自分が運営を担当する日(役職や係についている人は特に)
シーズンの予定表が出たらすぐに、この3つを手帳やカレンダーに入れ、空いた日から就活を組む。これが、部活と就活を両立する第一歩になります。
部活の経験をESで伝わる形にする
ESには大会の成績や役職ではなく、「部活の中で自分が下した判断」を書いてください。
部活の経験を書く応募者は多く、成績や役職だけでは差がつかないからです。人事が知りたいのは、あなたが部の課題にどう気づき、何を選び、何をやめたかです。それが、入社後に仕事でどう動く人かを想像する材料になります。
5日以上のインターンや本選考では、ESの提出を求められるのが一般的です。インターンに出られなかった分は、ESの質で取り返すつもりで準備しておきましょう。
部活の経験をどう書けばいいか迷ったら、まず今のESを添削してもらうところから始めるのも手です。
部活のガクチカの書き直し例
(内容は説明のための例です)
書き直し前
私はサッカー部で、チームの団結力を高めることに力を入れました。部員一人ひとりとコミュニケーションを取り、チームのために全力で取り組みました。その結果、チームの雰囲気が良くなり、リーグ戦で昇格することができました。
書き直し後
サッカー部で、下級生の練習出席率を5割から8割に上げたことです。部員40人のうち、試合に出る機会の少ない下級生20人は、週4回の練習の出席率が平均5割ほどでした。話を聞くと、「試合に出られないから練習しても意味がない」と感じていることが分かりました。ミーティングで声をかける案もありましたが、気持ちの問題ではなく出番がないことが原因だと考え、自分で他大学に連絡して下級生だけの練習試合を月に1回組みました。試合後には下級生同士で反省を話し合う時間をつくり、その運営も担当しました。半年後、下級生の出席率は平均8割になりました。
・「団結力を高めた」ではなく、何をして何が変わったかを1文目で言い切った
・「コミュニケーション」「全力で」を消し、数字(20人・週4回・5割→8割)に置き換えた
・他の案(ミーティングで声をかける)と比べて、なぜその方法を選んだかを入れた
・自分が実際に何をしたか(他大学への連絡・運営)を書いた
・チームの成績(昇格)ではなく、自分の行動で変わったことに絞った
チームの成績は、自分以外の要因でも決まります。ESには、自分の判断と行動で変わったことを、測り方が分かる数字で書くのがコツです。役職がなくても、この書き方ならレギュラーでなくても書けます。
書き直したESは、第三者に見てもらうと自分では気づきにくい点が見えてきます。しゅんダイアリーの「ES添削先生AI」なら、LINEログインと1〜2分のプロフィール入力のあと、ESを貼り付けて人事目線で添削してもらえます。無料で、回数の制限もありません。
合宿・試合とインターンがかぶるときの決め方
「自分が抜けて部が困るか」と「そのインターンに代わりがあるか」の2つで決めてください。
この問題は、部への影響と就活への影響の両方を見ないと、どちらを選んでも後悔が残るからです。「1日のインターンくらい行くべき」という意見も、「1日のインターンのために合宿を休むべきではない」という意見もあり、人によって答えが割れます。答えが割れるのは、状況によって正解が変わるからです。
インターンは別の日程・別の企業でも代わりがきく | インターンに代わりがない | |
自分が抜けても部は回る | 部活を優先。インターンは別の回に申し込む | インターンを優先。部には早めに伝える |
自分が抜けると部が困る | 部活を優先 | 企業に別日程がないか相談する。難しければ部活を優先 |
「インターンに代わりがない」とは、たとえば第一志望の企業の5日以上のインターンで、ほかに日程がないような場合です。1日のインターンは同じ企業が何度も開いていることが多いので、まず別の日程を確認してください。
迷ったらこの表に当てはめて、決めたら早めに周りに伝える。これで、合宿や試合とかぶったときに迷う時間を減らせます。
部の仲間・監督への伝え方
インターンを優先すると決めたら、自分の担当があれば代わりを頼みたい相手に先に了承をもらい、そのうえで同期や監督・コーチに伝えます。
同期に伝えるとき
「〇日の合宿なんだけど、第一志望の会社のインターンとかぶっていて、1日だけ抜けさせてほしい。その日の自分の担当は〇〇が引き受けてくれることになったから、前日までに3人で確認させて。」
監督・コーチに伝えるとき
「〇日の合宿について相談があります。第一志望の企業のインターンと日程が重なっており、その日だけ抜けさせていただけないでしょうか。当日の自分の担当は〇〇が引き受けてくれることになっており、前日までに内容を共有しておきます。」
ポイントは、「休みたい」だけでなく「抜ける穴をどう埋めるか」までセットで伝えることです。段取りまで示しておけば、了承を得やすくなります。
企業への日程の相談
第一志望の企業で日程が合わないときは、採用の問い合わせ窓口に相談してみる価値があります。
「株式会社〇〇 採用ご担当者様
〇〇大学〇〇学部3年の〇〇と申します。〇月〇日のインターンへの参加を希望しておりますが、当日は所属する〇〇部の公式戦と重なっております。別の日程での開催予定がございましたら、ご案内いただけますでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。」
別日程が必ず用意されるわけではありません。「別日程はない」と返ってきたら、その回は見送り、次の機会を探しましょう。
シーズン中にできる、すき間時間の就活準備
インターンに行けない時期も、すき間時間で準備は進められます。
引退後やオフシーズンに一気に動くには、書類と情報をシーズン中にそろえておくのが近道だからです。
移動中:気になる企業の採用ページを1日1社読む。続ければ、引退するころにはかなりの数の企業を知っている状態になります
練習や試合のあと:その日に自分で考えて動いたことを1行メモする。これがそのままESの材料になります
月に1回:部活のOB・OGに、就活の時期に何をしていたかを聞く。同じ部で両立した先輩の話は、自分の状況に近い分だけ参考になります
土日・オンラインの選考:体育会の学生向けの就活イベントや、土日・オンラインで選考を受けられる企業もあります。部活の予定に合わせやすい選択肢として調べておきましょう
なかでも1行メモは、引退後にESを書くときの助けになります。部活の中で下した判断は、時間がたつと細かいところを思い出せなくなるからです。
やってはいけない3つのこと
部活と就活を両立するうえで、次の3つは避けてください。どれも、あとから取り返すのに時間がかかるからです。
「全日程参加できる」と偽って応募する。当日抜けることになれば、その企業からの印象を損ないかねません
就活のために部活を辞める。途中で辞めると面接で理由を聞かれたときに説明が必要になり、部活の経験という材料も弱くなります
引退まで何もしない。インターンに行けなくても、1行メモと企業研究だけは続けておくと、引退後のスタートが変わります
部活を続けたまま、できることを少しずつ進める。それが、部活が忙しい人にとっていちばん無理のない両立の形です。
まとめ|インターンに行けない分、部活の経験を言葉にしておく
部活が忙しくて5日以上のインターンに出られなくても、部活と両立しながら就活を進める道はあります。
シーズン中は1日のインターンやオンライン開催で業界を比べ、5日以上のインターンはオフシーズンと引退後に回す。部活の経験はESで伝わる形にしておく。合宿や試合とかぶったら、「自分が抜けて部が困るか」と「インターンに代わりがあるか」で決める。
インターンに行けなかった時間は、部活に打ち込んだ時間でもあります。その経験を言葉にしておけば、選考で自分を伝える材料になります。
部活とインターンの両立に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 1日のインターンに参加する意味はありますか?
A. 業界や仕事の中身を知る目的なら意味があります。ルール上、1日のインターンで得た学生の情報は採用選考に使えないことになっているため、選考で直接有利になるとは考えないほうが安全です。そのぶん、複数の企業を比べて志望業界を絞る場として使うのがおすすめです。
Q2. 部活を理由に、インターンの日程変更をお願いしてもいいですか?
A. 丁寧に相談すること自体は問題ありません。ただし、別日程が必ず用意されるわけではないので、「別の日程での開催予定があれば教えてほしい」という聞き方にしましょう。
Q3. 引退が4年生の春以降になります。間に合いますか?
A. 間に合わせる道はありますが、準備の時期を前倒しする必要があります。3年生のオフシーズンに5日以上のインターンを狙い、シーズン中にESの下書きと企業研究を進めておいてください。体育会の学生向けに、土日の選考やオンライン面接に対応している企業もあります。
Q4. インターンに1社も参加しないまま本選考を受けても大丈夫ですか?
A. インターンへの参加は、本選考を受ける条件ではありません。ただし、インターンに参加した人は選考に慣れているので、ESと面接の準備は早めに始めておきましょう。
Q5. 体育会ではなく、サークルやゼミで忙しい場合も使えますか?
A. 使えます。3つのルートは、時間が限られている人すべてに当てはまります。ESでも、活動の種類より「自分の判断で何が変わったか」を書くことを意識してください。
Q6. 部活の経験をESにどう書けばいいか分かりません
A. まずは大会の成績や役職ではなく、「部の課題にどう気づき、何をしたか」を書き出してみてください。書いたESは、ES添削先生AIのように無料で何回でも添削してもらえるツールで確かめるのも一つの方法です。
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出典
文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」
