
今回は、航空事業のさらなる磨き上げと並行し、非航空領域への事業拡大を進める日本航空株式会社(JAL)にお話を伺いました。JALが現在取り組んでいる事業構造改革や、学生の皆さんに求めている「多様性」と「挑戦」についてお伝えします。
人事 高橋様
編集部: 御社は現在、どのような事業課題に取り組まれているのでしょうか?
JAL様: 私たちは現在、従来の航空事業に加え、マイル・ライフ・インフラといった「非航空領域」の拡大に挑戦しています。きっかけは新型コロナウイルスの流行でした。航空事業がほぼストップしてしまうという経験を経て、一本足打法ではなく、リスクヘッジをしながら事業構造改革を推進する必要性を痛感したのです。
編集部: 具体的にはどのような領域に注力されているのでしょうか?
JAL様: 航空事業を磨き上げることはもちろんですが、その一歩先にある、移動を通じた人と人、人とモノや地域との「関係・つながり」を創造することを目指しています。例えば、学びを通じて地域とつながるプラットフォーム「旅アカデミー」などの地域社会との共創、さらにはドローンや空飛ぶクルマといった次世代エアモビリティなど、人々の生活を豊かにし、新しい生き方を提案する領域へ展開しています。
編集部: 変革期にある御社では、どのようなカルチャーや価値観を大切にされていますか?
高橋様: JALグループ全体で「多様な価値観を尊重し、変革に果敢に挑戦できる」ことを求める人材像として掲げています。また多様な価値観を尊重するとは、単にいろんな人がいるということではなく、相手の価値観をしっかり傾聴し受け止める姿勢を指します。
編集部: そのカルチャーを体現する具体的な事例はありますか?
高橋様: 例えば、今年から始まった「海外インターンシップ」は、実は学生の皆さんからの声を元に実現したものです。日本の学生が就職活動のために留学を躊躇してしまうという課題に対し、グローバルな拠点でインターンを行えばよいのではないかという発想から、ロンドンやオーストラリア。ハワイで実施することになりました。若者の声を尊重し、新しい価値創造に向けて挑戦する風土があります。
編集部: 新卒採用において、学生に期待することは何でしょうか?
高橋様: 学生の時代に、自分自身の中に「多様性」を育ててほしいと願っています。よく「英語の資格は何点必要ですか?」と聞かれますが、重要なのは点数ではなく、語学を使って多様な人々と接点を持ち、異なる考え方を受け入れる(アクセプトする)力です。
編集部: スキルよりも経験やマインドセットを重視されているのですね。
高橋様: そうですね。日常のコンフォートゾーン(快適な場所)から一歩踏み出し、新しい経験を通じて価値観を磨いてきた方を求めています。私たちは若者を「日本社会全体の貴重な財産」だと考えています。入社はそのような貴重な財産を社会からお預かりすることであり、当社で働くことで成長しさらなる可能性を広げてもらいたいという想いで採用しています。
編集部: 入社後のキャリアについては、どのような可能性がありますか?
高橋様: 特に業務企画職においては、部署が変わるとまるで「転職したようだ」と言われるほど、業務領域が広いです。航空オペレーションやエアライン・エンジニアだけでなく、ビジネスマーケティング、デジタル・テクノロジー、データ・サイエンス、コーポレートなど多岐にわたるため、好奇心が強く様々なことに挑戦したい方には最適な環境です。
編集部: キャリアの柔軟性についてはいかがでしょうか?
高橋様: 実は意外に希望が通る環境でもあります。また、私たちは「回転ドア」と呼んでいますが、一度社外に出たアルムナイ(退職者)が、外部の知見を持って戻ってくるケースも非常に増えています。一つの枠にとらわれず、自律的にキャリアを形成できる環境が整っています。
日本航空社が目指しているのは、単なる移動手段の提供にとどまらず、人やモノが自由に行き交う「心はずむ社会」の実現です。従来の航空会社のイメージを超え、ドローンやライフスタイル事業など多角的な挑戦を続ける同社。「日本の若者は宝」と語る採用担当者様の言葉からは、学生の成長を本気で支援しようとする懐の深さが感じられました。多様な価値観を受け入れ、自ら変革を起こしたいと願う学生にとって、大きな飛躍のフィールドとなるでしょう。