はじめに|ESにAIを使うとバレる? 問題は「丸ごと書かせる」こと
「ChatGPTで志望動機を作ったら、人事にバレるのかな」
「AIに添削してもらうのは、ずるいことになる?」
ESを書き始めた大学3年生から、よく聞く悩みです。
結論から言うと、ESにAIを使うこと自体は問題ありません。ただし、AIに丸ごと書かせたESは、人事にバレやすくなります。
バレるきっかけは、特別なツールによる判定よりも、「中身が薄い」「面接で話がずれる」といった、読み手や面接官が感じる違和感だからです。だからこそ、AIには文章の形を整える作業を任せ、中身は自分で書くのが基本の使い方になります。
・AIに任せていい:構成の整理、下書きづくり、言い回しの改善、誤字脱字のチェック
・自分でやる:具体的な場面と数字、他社と比べた理由、最終的に何を書くかの判断
・提出前に:面接で「なぜ?」「ほかの案は?」「数字で言うと?」と聞かれて答えられるかを確かめる
この記事では、人事にバレる3つの場面、AI判定ツールをどう考えるか、設問別のAIっぽい文の書き換え例、AIに任せていいこと・自分でやることの線引き、面接で崩れないためのセルフチェックを紹介します。
そもそも、ESにChatGPTなどのAIを使ってもいいのか
企業が禁止していない限り、ESにAIを使うこと自体は問題ありません。
先輩やキャリアセンターにESを添削してもらうのと同じで、道具を使って文章を整えることは、ルール違反ではないからです。企業がESで見ているのは、文章をどう作ったかより、書かれている中身があなた自身のものかです。
ただし、募集要項や応募フォームに「生成AIの使用を禁止する」「自分の言葉で書くこと」などと書いてある企業もあります。その場合は、企業の指示に従ってください。
使っていいかどうかより大事なのは、どこまでをAIに任せるかです。次の章から、その線引きを具体的に見ていきます。
AIで書いたESが人事にバレる3つの場面
AIで書いたESがバレるのは、主に次の3つの場面です。
どれも、ツールで機械的に判定されるというより、読み手や面接官が「この人の言葉ではない」と感じるきっかけになる場面だからです。
場面 | 何が起きているか | 防ぎ方 |
① ESを読んだとき | 「多角的な視点」「主体性」「貴社の理念に共感」など、誰にでも書ける言葉が並び、具体的な場面や数字がない | 自分にしか書けない場面と数字を入れる |
② ESの中で文体がずれたとき | 一部の設問だけ硬い言葉や整いすぎた文になっていて、ほかの設問と書き手が違って見える | 全体を声に出して読み、自分が普段使わない言葉を言い換える |
③ 面接で深掘りされたとき | ESに書いたことについて「なぜ?」「具体的には?」と聞かれ、答えられない、話がずれる | 提出前に、深掘りの質問に答えられるかを確かめる |
なかでも気をつけたいのが③です。ESの段階ではバレなくても、面接で話がずれると、ES全体の信頼を失いかねません。AIを使うなら、面接で自分の言葉で話せる内容にしておくことが前提です。
AI判定ツールは、どこまで気にすればいいか
AI判定ツールをすり抜けることより、中身を自分のものにすることを優先してください。
企業がAI判定ツールを使っているかどうかは、公表されていないことが多く、学生の側からは分からないからです。また、こうしたツールの判定は、人が書いた文でもAIと判定されたり、その逆が起きたりすることがあると言われています。
たとえば、「AIっぽさを消す」とうたう言い換えツールで文を崩しても、中身が薄いままなら、①の「誰にでも書ける言葉」や③の「面接でのずれ」は解決しません。
ツールで判定されるかどうかは、あなたには変えられません。変えられるのは、ESに書く中身です。そこに時間を使いましょう。
設問別|AIっぽい文の書き換え例
AIっぽい文は、設問ごとに出やすい場所が決まっています。自分のESの該当箇所を、次の例と見比べてください。
AIは、多くの人に当てはまる無難な文を作るのが得意な一方、あなたの経験や判断は知らないからです。その差が出やすい場所を押さえれば、直す場所がはっきりします。
志望動機|「理念に共感」で終わっている
AIっぽい文:貴社の「挑戦を尊重する」という理念に深く共感し、多様な事業を通じて社会に貢献したいと考え、志望いたしました。
書き換え例:地方の中小企業の人手不足を、採用の面から支える仕事がしたいと考えています。説明会で、同業の中でも貴社は中小企業向けの提案が中心で、若手も1年目から担当企業を持つと聞き、その環境で力をつけたいと思いました。
志望動機では、「何をしたいか」と「他社ではなくこの会社を選ぶ理由」がAIには書けません。説明会で聞いたことや、比べて気づいた違いを、面接で聞かれても説明できる形で1文入れてください。
ガクチカ|「課題を分析し、改善に取り組んだ」で終わっている
AIっぽい文:アルバイト先の課題を多角的に分析し、チームと連携して改善に取り組んだ結果、業務効率が大きく向上しました。
書き換え例:夕方にレジの列が10人以上になっていたため、品出しの時間を18時から17時に前倒しすることを店長に提案し、ピーク時にレジを2台開けられるようにしました。その結果、列は5人ほどに減りました。
ガクチカでは、具体的な場面、自分がした判断、結果の数字を入れてください。「分析」「連携」「向上」だけでは、何をしたのかが伝わりません。
自己PR|強みの名前を並べている
AIっぽい文:私の強みは、主体性と課題解決力、そして周囲を巻き込むリーダーシップです。
書き換え例:私の強みは、誰も手をつけていない仕事を自分から引き受けることです。ゼミで発表資料の締め切りが守られていなかったとき、自分から進行表を作り、毎週の確認役を引き受けました。その後の発表では、全員が締め切りの前日までに資料を出せるようになりました。
自己PRでは、強みは1つに絞り、その強みを使った場面と結果を続けて書くのが基本です。強みの名前を3つ並べると、AIが作った文に見えやすくなります。
入社後に実現したいこと|大きすぎて具体性がない
AIっぽい文:入社後は、貴社の一員として社会課題の解決に貢献し、多くの人々の生活を豊かにしたいと考えております。
書き換え例:まずは法人営業として、地方の中小企業から人手不足の相談を受けられるようになりたいです。祖父の工務店が求人を出しても人が集まらず、困っていたのを見てきたからです。
実現したいことでは、「最初に何をしたいか」と「そう思うようになった自分の体験」を書いてください。大きな目標だけでは、誰の話か分かりません。
4つとも、書き換え例にはあなたにしか書けない情報が入っています。AIが作った文をそのまま使うのではなく、この情報を足すことが、AIを使うときの基本です。
志望動機・ガクチカ・自己PRなどの設問別のポイントは、トイアンナさんが出演した動画でも取り上げています。
自分のESにAIっぽい文が残っていないか、判断がつかないときは添削を受けてみるのも手です。
AIに任せていいこと・自分でやること
ESを書く段階ごとに、AIに任せるか自分でやるかを分けてください。
全部を自分で書くと時間がかかり、全部をAIに任せると中身が薄くなるからです。段階ごとに分ければ、時間を短くしながら中身を保てます。
段階 | AIに任せていい | 自分でやる |
ネタ出し | 過去の経験を思い出すための質問をしてもらう | どの経験を使うかを決める |
構成 | 結論→理由→具体例の順に並べてもらう | (任せてよい) |
下書き | 自分が入力した経験をもとに、下書きを作ってもらう | 経験そのもの(場面・数字・判断)を入力する |
中身を書き足す | (任せない) | 具体的な場面、他社と比べた理由、自分の体験を書き足す |
仕上げ | 言い回しの改善、字数の調整、誤字脱字のチェック | 普段使わない言葉を自分の言葉に戻す |
最終判断 | (任せない) | これで出すかどうかを決める |
「任せない」と書いた中身を書き足す段階と最終判断は、自分でやってください。ここさえ自分で持っていれば、それ以外の段階はAIに頼って構いません。
面接で崩れないAIの使い方|3ステップ
AIでESを作るなら、「下書きを作る→自分の場面を足す→添削する」の3ステップで進めてください。
AIの速さと、あなたにしか書けない中身を両方生かせる順番だからです。
下書きを作る:AIに、自分の経験を箇条書きで入力して下書きを作ってもらいます。「いつ・どこで・何人で・何をしたか・どうなったか」を自分の言葉で入力するのがコツです。入力が具体的なほど、下書きも具体的になります。
自分の場面を足す:下書きの中の「分析した」「貢献した」などの言葉を、実際の場面と数字に置き換えます。志望動機なら、説明会で聞いたことや他社と比べた理由を1文足します。
添削する:書き上げたESを、AIやキャリアセンター、先輩に添削してもらいます。最後に全体を声に出して読み、普段の自分が使わない言葉を言い換えます。
ChatGPTなどに下書きや添削を頼むときの指示の出し方(プロンプト)は、AI ES添削のやり方|コピペで使えるプロンプトで紹介しています。
しゅんダイアリーの「ES添削先生AI」なら、LINEログインと1〜2分のプロフィール入力のあと、ESの作成と添削を無料で、回数の制限なく使えます。作成は質問に答えていく形で進み、選択肢を選ぶだけでも進められますが、自分の経験を具体的に書き込むほど中身のある下書きになります。作成したESは、そのまま人事目線の添削にかけられます。
どのツールを使う場合も、最後に自分の場面を足して、自分の言葉で話せる形にすることが、面接で崩れないための条件です。
面接で崩れないためのセルフチェック
AIを使ったESを提出する前に、次の3つの質問に自分の言葉で答えられるかを確かめてください。
面接官はESの内容をもとに深掘りの質問をするので、答えられない内容はESに書かないほうが安全だからです。
聞かれやすい質問 | 答えられなければ |
なぜ、そうしようと思ったのですか? | 行動のきっかけになった場面を、ESに書き足す |
ほかにどんな方法を考えましたか? | 考えた別の案と、それを選ばなかった理由を整理しておく |
数字で言うと、どのくらい変わりましたか? | 測れる範囲の数字に言い換える。測れないなら、前と後の違いを具体的に言えるようにする |
もう1つのチェックは、ESを見ずに1分で内容を話せるかです。書いてある言葉を自分で説明できないなら、その部分はまだAIの言葉のままです。
この3つの質問と1分チェックを通せば、AIを使ったかどうかに関係なく、面接で話がずれにくくなります。
ESの本文をAIに貼るときに入れない情報
ESの本文をAIに貼るときは、個人を特定できる情報と、企業の非公開情報を入れないでください。
入力した内容がどう扱われるかは、サービスや設定によって違うからです。サービスによっては、入力内容をAIの学習に使わない設定を選べるものもあるので、使う前に確認しておくと安心です。
入れない:氏名、電話番号、住所、学籍番号、メールアドレス
入れない:インターンや選考で知った、企業が公開していない情報
ぼかして入れる:バイト先や大学名は「飲食店」「私立大学」などに置き換える
ESの中身を整えるのに、個人を特定できる情報は必要ありません。固有名詞は、提出する直前に自分で戻せば十分です。
まとめ|ESにAIを使うとバレるかは、使い方で決まる
ESにAIを使うこと自体は問題ありません。バレやすくなるのは、AIに中身まで丸ごと任せたときです。
人事にバレるのは、誰にでも書ける言葉が並んだとき、ESの中で文体がずれたとき、面接で深掘りされて答えられないとき。これを防ぐには、AIには構成・下書き・言い回し・誤字チェックを任せ、具体的な場面と数字、他社と比べた理由、最後に出すかどうかの判断は自分で持つことです。
AIで浮いた時間を、自分の経験を思い出すことと、企業を比べることに使ってください。そうすれば、AIを使っても、自分の言葉で話せるESに近づけます。
ESとAIに関するよくある質問(FAQ)
Q1. ChatGPTで書いたESは、AI判定ツールでバレますか?
A. 企業が判定ツールを使っているかどうかは、公表されていないことが多く、分かりません。ただ、ツールを使っていなくても、中身の薄さや面接でのずれからバレることはあります。ツールをすり抜けることより、中身を自分のものにすることを優先してください。
Q2. 有料版のAIを使えば、バレにくくなりますか?
A. 文章が自然になることはあっても、あなたの経験を知らないという点は変わりません。無料版でも有料版でも、具体的な場面と数字を自分で足すことが必要です。
Q3. 自分で書いたESをAIに添削してもらうのは問題ありませんか?
A. 企業が禁止していなければ問題ありません。先輩やキャリアセンターに添削してもらうのと同じです。添削で提案された表現は、自分の言葉として説明できるものだけを取り入れましょう。
Q4. 面接で「AIを使いましたか?」と聞かれたら、どう答えればいいですか?
A. 使ったなら、正直に答えて構いません。「構成の整理と誤字のチェックに使いました。書いている経験は自分のものです」のように、どこまでをAIに任せたかを具体的に言えば、隠す必要のない使い方だったことが伝わります。
Q5. ネットの例文を参考にするのも、AIと同じようにバレますか?
A. 例文をそのまま使えば、AIの文と同じように、誰にでも書ける文章になります。例文は構成の参考にとどめ、中身は自分の経験で書いてください。
Q6. 自分のESがAIっぽくなっていないか、自分では判断できません
A. 自分の文章は、自分では気づきにくい点があるものです。キャリアセンターや先輩に見てもらうほか、ES添削先生AIのように無料で何回でも添削してもらえるツールを使うのも一つの方法です。
