就活の自己PRって、「そもそも話すネタがない」「どうまとめればいいかわからない」「面接で緊張して全部飛ぶ…」みたいな悩み、多いですよね。
この対談では、元NewsPicksアナウンサーで、今は「存在価値」をテーマに発信している奥井奈々さんが、そんな不安をスパッとほぐしてくれています。
トピック①見出し:1秒で掴む自己紹介と「三部構成」の自己PR
「コンテンツに救われた」から始まるフックの作り方
しゅん:今回は自己PRがテーマということで、最初に1分くらいで自己紹介をお願いできますか?
奥井:コンテンツに救われたからこそ今の私があります。元NewsPicksアナウンサーの奥井奈々です。転職したばかりの会社を使用期間でクビになって、フードデリバリーの配達員としてアルバイトに明け暮れていた時期があったんです。そのとき、ビジネス教養番組のNewsPicksを見ることが、心の支えでした。白熱した議論に勇気をもらって、アナウンサーオーディションに挑戦したのがきっかけです。今は、その救われた経験があるからこそ、現代病に特化したメディア運営や執筆を通して、「誰かを救うコンテンツ」を作ることに取り組んでいます。
しゅん:いや〜、めちゃくちゃわかりやすいですね。今の自己紹介って、完全に三部構成でしたよね。最初に「コンテンツに救われた」というサビで1秒で掴んで、そのあとに何があったか、最後にそれをどう活かしているか、っていう流れ。
奥井:そうですね。自己PRも同じで、「最初の一言で掴む」「エピソードで具体化」「最後にこれからどう活かすか」の三つを意識すると、相手の記憶に残りやすくなると思います。
自己紹介・自己PRは「三部構成」にすると伝わりやすい。①最初の一言でサビ(フック)を言う②それを裏付ける具体エピソードを話す③最後に「その経験をこれからどう活かすか」で締める。「コンテンツに救われたからこそ、今度は私が救う側になりたい」のように、印象に残る一文を最初に置くと、面接官の耳が一気にこっちを向く。大げさな実績より、「自分の原点」が伝わる言葉の方が、採用側の記憶に残りやすい。
トピック②失敗続きからの転換——存在価値を上げる考え方
「自分をアピールする人」から「目の前をちゃんとやる人」へ
しゅん:学生時代って、今みたいに「存在価値を上げる」みたいな意識はあったんですか?
奥井:全然なかったです。新卒でアパレルのファーストリテイリングに入ったんですけど、忙しさもあって心が折れて。本屋さんでたまたま見つけた堀江さんの本に感動して、「私、本気で生きてないな」と思ったのが最初の気付きでした。
しゅん:そこからベンチャーに転職して、でも使用期間3ヶ月で解雇されたんですよね?
奥井:はい。仕事ができなさすぎて、本当に使用期間で終了、みたいな感じでした。そのあと1年くらいアルバイトしてて、その期間にたまたまYouTubeでNewsPicksの番組を見つけて、アナウンサー公募に応募しました。未経験採用で入ったんですけど、最初は「どうやって自分をアピールするか」ばかり考えていて、めちゃくちゃ空回りしてました。
しゅん:そこから、どう変わっていったんですか?
奥井:「自分の存在価値を出さなきゃ」と思えば思うほどズレていくなって気づいて、一回やめたんです。アナウンサーとして目立とうとするんじゃなくて、「目の前の役割を全うする」「困っている人がいたら、自分のキャリアアップに繋がらなくても助ける」というスタンスに切り替えました。そしたら、気づいたら仕事の流れも評価も、いい方向に変わっていきましたね。
「自分をどうアピールするか」ばかり考えていると、逆に存在価値は伝わりにくくなる。まずは「目の前の役割をちゃんとこなす」「周りの人を助ける」ことに集中すると、信頼が貯まって存在価値が自然と上がる。華やかな成果じゃなくても、チームが前に進むように動いている人は、職場で「いてほしい人」として見られる。就活生の段階でも、「自分が主役」ではなく「チームを前に進める人」という視点で経験を振り返ると、エピソードが一気に語りやすくなる。
トピック③面接で存在価値を伝える「フィジカル3つ」
背筋・身振り手振り・言い切りで印象が変わる
しゅん:本でも「存在価値を出す7つのコツ」を書かれてますよね。面接にもそのまま使えそうなところって、どこですか?
奥井:いっぱいあるんですけど、今日は3つに絞ると「①存在価値は背筋から」「②緊張する場面こそ身振り手振りはゆっくり」「③自信がなくても言い切る」ですかね。
しゅん:まず、背筋からってどういうことですか?
奥井:NewsPicksのアナウンサーになったばかりの頃、仕事ができなさすぎて一回MCから外されたんです。そのとき、自分の映像を見たら、ずっと猫背でパソコンを見てて、「この人の質問、誰も聞きたくないな」と自分で思ったんですよ。そこで、「まず姿勢から変えよう」と決めました。背筋を伸ばして、机に手を置いて座るだけでも、心が前向きになるし、大物ゲスト相手でも対等に話しやすくなりました。
しゅん:なるほど。2つ目の「身振り手振りをゆっくり」は?
奥井:緊張すると早口になるし、手の動きも小刻みになりがちなんです。だから、先に「手」をゆっくり・大きく動かすことを意識すると、自然と話すペースも落ち着くんですよ。面接で自己PRするときも、大きめに、ゆったりとジェスチャーをつけるだけで、堂々として見えます。
しゅん:3つ目の「言い切る」は就活でもめちゃ大事そうですね。
奥井:そうなんです。自信がないと語尾が濁るじゃないですか。「〜かなと思っていて…」「〜な気もしていて…」みたいな。あれって、間違ったことを言うよりも危なくて、何も伝わらないんです。内容が100点じゃなくてもいいから、最後まで言い切る。それだけで、「この人に任せたらやり切ってくれそう」という信頼を与えられます。
印象は「内容」だけじゃなく「姿勢と動き」で大きく変わる。①背筋を伸ばすだけで、自分のマインドも前向きになる。②緊張しているときこそ、身振り手振りをあえてゆっくり・大きく。話すペースも整う。③答えに自信がなくても、語尾までしっかり言い切ることで、相手に安心感と信頼感が生まれる。エントリーシートを完璧にする前に、「姿勢」「ジェスチャー」「語尾」を整えるだけで、面接の手応えはかなり変わる。
トピック④やりたいことがなくても大丈夫——キャリアの軸の見つけ方
ロジック型じゃなくてもいい、「完成型キャリア」という考え方
しゅん:就活生の悩みとして多いのが、「やりたいことも軸もないから、企業選びに困る」という声なんですよね。奥井さんも、最初から明確な軸があったわけじゃないですよね?
奥井:全然なかったです。ファーストリテイリングを選んだのも、「経営者になれる仕組みがある」「お金持ちになれそう」みたいな、すごく浅い理由でしたから。
しゅん:そのあとベンチャーに行って、使用期間でクビになって、アルバイトして、そこからNewsPicksのアナウンサーになって…。かなり「流されキャリア」というか。
奥井:そうですね。25歳くらいまでは、本当に「手足が先に出るタイプ」でした。友達にベンチャーを紹介されて、「楽しそう」「ベンチャーって響きがいい」ぐらいのノリで行ってみたり。やりたいことが明確にあったわけじゃなくて、そのとき目の前に来たチャンスに乗ってきた感覚です。
しゅん:今の就活って、「10年後こうなりたいから、この会社を選びました」みたいなロジカルさが正解とされがちですけど…
奥井:もちろんロジック型も素晴らしいんですけど、「完成型」っていう生き方もあると思っていて。いろんな人と出会って、いろんな場所で働いて、「あ、私ってこういうときにワクワクするんだ」とか「こういう環境は合わないんだ」とか、あとからじわじわ自分が完成されていく感じ。どっちが正解とかはないです。
「やりたいことがない=ダメ」ではない。むしろ普通。最初の会社選びは、「ちょっと楽しそう」「やってみたいかも」くらいの動機でもOK。やってみないと、自分の本当の軸は分からない。ロジカルに逆算してキャリアを積む「逆算型」だけじゃなく、経験を重ねて自分ができあがっていく「完成型」のキャリアもある。就活の場では、無理に「完璧な軸」を作ろうとするより、「今の自分なりの理由」と「これから試してみたいこと」が語れれば十分。
トピック⑤不安との付き合い方と、行動する就活マインド
[やるかやらないかがすべて」というシンプルな結論
しゅん:奥井さんって、3ヶ月でクビになったり、未経験からアナウンサーになったり、けっこう荒波多めのキャリアだと思うんですけど…将来への不安とかってないんですか?
奥井:ありますよ、普通に(笑)。「このコンテンツちゃんと見られるかな」とか、「これでよかったのかな」とか考えることもあります。でも、ずっと悩んでる時間って嫌いなんですよね。悩んでても現実は変わらないから、行動してから考えればいいか、って切り替えるタイプです。
しゅん:最後に、就活生に向けてメッセージをお願いしてもいいですか?
奥井:やりたいことがなくても、ガクチカがなくても、特技がなくても大丈夫です。本当に。スキルもモチベーションもやりたいことも、全部「やった後」にしかついてこないので。「やるかやらないかが全て」です。
しゅん:行動した人だけが、あとから「意味付け」をできるってことですよね。
奥井:そうですね。今の会社が合わないなと思ったら、そこで少しでもスキルをつけるための我慢なのか、ただの消耗なのか、自分で意味付けしてみればいい。環境を変えたら、本当に景色って変わるので。完璧な正解を探すより、「一歩進む」を繰り返してほしいなと思います。
不安があってもOK。それ自体は普通のこと。ただ、「不安だから止まる」か「不安でも動く」かでキャリアの差がつく。「スキルがついたら挑戦する」ではなく、「挑戦した結果スキルがつく」という順番で考える。今いる環境を「ただの我慢時間」にするか、「次につながる修行時間」にするかは、自分の意味づけ次第。就活は「正解探しのゲーム」ではなく、「自分なりの選択をして経験を増やすゲーム」と考えると、少し気持ちがラクになる。
✓自己PRは「①サビで掴む→②具体エピソード→③どう活かすか」の三部構成にすると記憶に残る。
✓存在価値は、「自分をアピールすること」より「目の前の役割を全うすること」で上がっていく。
✓面接では、背筋・身振り手振り・言い切る姿勢というフィジカルが印象を大きく左右する。
✓やりたいことがなくても大丈夫。ロジック型だけじゃなく「完成型キャリア」という生き方もある。
✓不安はあっていい。最終的には「やるかやらないか」がすべてで、行動した人からモヤモヤが減っていく。
