今回は、IT大手企業の面接代行として500人以上の学生の面接をされてきた細谷さんに、2025年の面接がどう変わるのか聞いていきます。
トピック1:2025年面接のキーワードは「再現性」
AI時代だからこそ“エピソードの中身”が見られる
トッキー:じゃあ早速なんですけど、2025年の面接ってどう変わってきてるんですか?
細谷:端的に言うと“再現性重視”、もう少し言うと“再現性エピソード重視”になってきてます。コロナ禍の頃って、オンライン授業で時間が空いたので資格を取りましたとか、勉強しましたってエピソードが多かったんですね。やってるだけで「主体性あるね」って評価されやすかった。
細谷:でもコロナが明けて、アルバイトやサークルで外にガンガン出ていく人と、オンラインのまま何もできなかった人でエピソードの差がかなり出てきた。そこで「この人の経験って、うちの会社でも再現できるの?」っていう目線がすごく強くなったんです。
トッキー:僕23卒なんですけど、その頃は「エピソードありません」がわりと当たり前でしたもんね。今はできることも増えて、差もつきやすいってことですね。
もも:さっきの話でAIのES添削の話も出てましたけど、人事の方から見て、AIで丸パクリした文章と、自分なりにAIと協力して作った文章って分かるんですか?
細谷:ぶっちゃけ書類だけだと、ほとんど判別つかないと思います。明らかに機械っぽい文章なら分かりますけど、ちょっと手を入れられたら見抜くのは難しいですね。だからこそ、面接で「これ本当にあなたのエピソード?」とか「その経験、仕事でどう再現できる?」を深掘りしていくのが、2025年の大きな変化かなと思います。
2025年の面接キーワードは「再現性エピソード重視」。ただすごい経験を話すだけでは足りない。「その経験は、うちの会社で同じように再現できそうか?」という目線で評価されるようになっている。AIで作られたESかどうかは、書類だけではほぼ判別できない。だからこそ面接で本物かどうかがチェックされる。AIを使うこと自体はOKだが、「自分の言葉で語れるか」「仕事へのつながりまで考えているか」が必須。表面的なエピソードづくりではなく、自分の経験の意味づけと言語化がこれまで以上に大事になっている。
トピック2:「再現性って何?」の正体
自己認知と“規模感・成果”まで語れるかがカギ
もも:正直、再現性って言われてもピンとこなくて…。サークル活動とかって、実際の業務に完全に直結するわけじゃないじゃないですか。どうやって「仕事で活かせます」って話していけばいいんでしょう?
細谷:すごくいいポイントです。これは“自己認知”って言葉に近いんですけど、「自分の思う主体性ってこういうこと」「自分の思う協調性ってこういうこと」と、自分の中の定義をちゃんと持てているかが大事なんです。
細谷:例えば「サークルで幹部やってました」って一言で言っても、何十人のサークルなのか、何百人なのかで全然意味が違いますよね。その規模感とか、自分がどんなコミュニケーションを取っていたのかを具体的に出せるかどうか。
細谷:そこまで話してくれると、面接官としては「この人が言う協調性なら、うちでも同じように発揮してくれそうだな」って再現性をイメージできるんです。
トッキー:つまり、ただ「協調性あります」じゃなくて、「○○人規模のサークルで、こういう立場で、こんな関わり方をして、結果こうなりました」まで言えると強いってことですね。
細谷:そうですね。規模感を伝えることと、結果をちゃんと“数量”や“変化”で表すこと。この2つがそろうと、再現性がグッと伝わりやすくなります。
再現性=「その人の強みや行動が、新しい環境でも同じように発揮されそうか」というイメージ。キーワードは“自己認知”。自分の主体性・協調性などを、自分の言葉でどう定義しているかが問われる。「幹部やってました」だけで終わらず、人数規模・立場・役割・取った行動・結果まで具体的に伝える。結果は「売上○%アップ」「参加者数が○倍」など、できるだけ数値や変化で表現できると説得力が増す。エピソードを盛るより、「どんな環境で、どう考え、どう動いたか」を深く整理することが再現性につながる。
トピック3:就活の“早期化”はどこまで進む?
「今からじゃ遅い?」にどう向き合うか
トッキー:就活市場全体の変化でいうと、やっぱり“早期化”ってどうなんですか?
細谷:早期化は2025年に限らず、ここ数年ずっと続いている流れですね。
もも:SNSとか見てても「この時期から動くのはもう遅い」とか、コメントでボロクソ言われているのを見て、正直ビビります…。
トッキー:3年前の就活動画だと「今から始めてて偉い!」みたいな空気だったのに、今は「まだやってないのやばいよね」みたいな雰囲気ありますよね。
細谷:今年の学生さんで言うと、春ぐらいから動き始めている人がかなり多い印象です。この流れは、どこかで限界は来ると思いますが、しばらくは早期化の傾向が続くんじゃないかなと感じています。
もも:「もっと早く生まれてれば…」って思っちゃうんですけど、今からでもできることってありますか?
細谷:全然ありますよ。大事なのは「周りより早く動けたか」じゃなくて、「今の自分の経験をどれだけ言語化できているか」。ここを固めておけば、途中から巻き返すことは十分可能です。
就活の“早期化”はここ数年ずっと続いており、春から動く学生も増えている。SNSなどでは「今からじゃ遅い」という空気もあるが、重要なのはスタート時期そのものではない。今からでも「これまでやってきたこと」「どんな環境だったか」「その中でどう考えたか」を整理すれば挽回可能。必要以上に「早く始めなきゃ」に振り回されるより、自分の経験の棚卸しと情報収集に集中した方が建設的。早期化の流れは続きそうなので、下級生は“少し早めに情報を取りに行く”意識を持っておくと安心。
トピック4:人気5業界+不動産、これから“刺さる”学生像
IT・広告・メーカー・商社・コンサル、それぞれの“らしさ”とは
トッキー:ここからは業界ごとのトレンドも聞いていきたいです。IT、広告、メーカー、商社、コンサル、この5つで、どんな学生が評価されやすいか教えてもらえますか?
細谷:じゃあIT業界からいきましょうか。ITはさっきの“再現性”にかなり近くて、「資格持ってるかどうか」自体はそこまで重視されません。それよりも「なぜその資格やスキルを身につけようと思ったのか」が大事です。
もも:その“なぜ”って、どこで見てるんですか?
細谷:面接の中で質問していくと“自走力”が見えるんですね。入社した後も、新しい技術の変化に自分でついていけるか。そこを確認しています。未経験歓迎の会社もありますが、「とりあえず未経験OKだから受けよう」と思っていると、入社後しんどくなりがちです。
トッキー:広告業界はどうですか?
細谷:広告はまず「SNSに明るいかどうか」が一つのポイントです。ただ使っているだけじゃなくて、「気になった広告」や「それが出るまでの流れ」を勉強しているかどうか。デジタル広告側だと、特にデータ分析や統計の知識が求められやすいですね。
もも:メーカーは、なんとなく“堅い大企業”のイメージがあるんですけど…。
細谷:メーカーもデジタル化や効率化はかなり重要視されています。意外とまだペーパーレス化が進んでないところも多いので、Excelなども含めて「業務をどう楽にしていくか」という目線を持てていると良いですね。今持っているスキルの完璧さより、「入社後にこういう改善をしていきたい」と具体的に話せるかどうかがポイントです。
トッキー:商社はやっぱりグローバルな感じですか?
細谷:そうですね。SDGsやサステナブル、国際競争力といったテーマへの関心は強く求められます。留学経験があるとプラスですが、「留学しました」で終わらせず、そこでどんな経験をして何を学んで、それをどう活かしたいかまで語れるかが大事です。ただ、学生側が商社の仕事を完璧に理解してなくても大丈夫。自己認知の方が大事です。
トッキー:最後にコンサルは?
細谷:コンサルは大きくは変わっておらず、問題解決力と論理的思考力が基本です。ただ最近はオンラインと対面、両方のコミュニケーションができるかがより重要になってきています。オンラインではロジカルな説明力、対面では第一印象やビジネスマナーも見られますね。
トッキー:台本にないんですけど(笑)、もし今から就活するとしたら、細谷さん的に「ここ熱い!」って業界ありますか?
細谷:完全に個人的な意見ですけど、不動産ですね。空き家問題とか、日本の土地の活用って、これからますます大きなテーマになっていくと思っていて。10年20年スパンで考えた時に、おもしろくなりそうだなと個人的には感じています。
IT:資格そのものより「なぜその資格・スキルを取ろうと思ったか」を通じて“自走力”が見られる。広告:SNSに明るいかどうか+広告の仕組みやデータ分析(統計など)への理解が強みになる。メーカー:デジタル化・効率化への意欲が重要。「入社後、こう改善したい」という具体的イメージが評価される。商社:SDGs・サステナブル・国際競争力への関心と、留学などを通じた経験をどう活かすかのストーリーが鍵。コンサル:問題解決力に加え、オンラインの説明力と対面の第一印象・マナーの両立が求められる。番外編:不動産は空き家問題などもあり、長期的には伸びしろのある“穴場”業界として個人的に注目。
トピック5:これからの就活で求められる3つのスキル
主体性・コミュ力・観察力をどう磨くか
トッキー:ここまでいろいろ聞いてきましたが、就活生に求められるスキルを3つに絞るとしたら、何になりますか?
細谷:1つ目は“主体性”ですね。これは経団連の調査でも、企業が求める要素としてほぼ毎回トップに出てきます。
細谷:ただ主体性ってすごくビッグワードなので、「自分なりの主体性」でいいと思っています。自分はこうしたいからこう動いた、誰かと協力して新しいものを作り上げた、逆に自分がグイグイ前に出て進めていった…など、スタイルはいろいろあってOKです。そのうえで「それが発揮されたエピソード」を用意しておいてほしいですね。
トッキー:2つ目は何でしょう?
細谷:2つ目は“コミュニケーション能力”です。オンラインとオフラインに分けて考えると分かりやすくて、オンラインは身振り手振りが伝わりにくい分、情報がストレートに届きます。だからこそ“論理的な説明”ができるかどうかが重要です。
細谷:オフラインの場合は、対人として「好きになってもらえるか」「人を不快にさせないか」という意味での愛嬌やマナーが大事です。この2つをバランス良く持っているかがポイントですね。個人的には“思考力”より“説明力”を鍛えた方がいいと思っています。
もも:大学のプレゼンとかも、けっこう練習の場になりそうですね。
細谷:そうですそうです。身近なプレゼンをちゃんとやるだけでも、十分トレーニングになります。
トッキー:残りの3つ目は?
細谷:3つ目は“観察力”です。リモートワークが増えて、先輩の背中が見えにくくなっている中で、同じシートを見たときに「ここ変わってる、なんでだろう?」と気づけるかどうか。
細谷:面接の場でも同じで、自分がいた環境の人数規模とか、アルバイト先の客層(サラリーマンが多いのか、ファミリーが多いのか)をちゃんと覚えていないと、うまく説明できません。見てる“つもり”ではなく、意識して観察する力が、これからはさらに重要になってくると思います。
桃:聞いてみて、アルバイトでも「ただ働く」じゃなくて、当事者意識を持って観察するかどうかで、ガクチカの深さが変わりそうだなって感じました。
細谷:まさにそうですね。普段の経験の“見え方”を少し変えるだけで、就活で話せるエピソードの質はかなり変わりますよ。
求められる3つのスキルは「主体性」「コミュニケーション能力」「観察力」。主体性は“自分なりのスタイル”でOK。そのうえで「どう動いたか」「どんな結果が出たか」を語れるエピソードを用意する。コミュ力は“オンライン=論理的な説明力”“オフライン=第一印象・マナー・愛嬌”の両方がセット。観察力は、人数規模や客層など、環境を具体的に説明できるレベルで「日常をちゃんと見る」こと。アルバイトやサークルも、当事者意識と観察力を持って取り組めば、そのまま強いガクチカにつながる。
✓2025年の面接は「再現性エピソード」と「AI時代でも自分の言葉で話せるか」が大きなポイント。
✓自己認知を深め、「どんな環境で、どう考え、どう動いて、どんな結果が出たか」を具体的に言語化することが重要。
✓就活は早期化しているが、「いつ始めたか」より「今からどれだけ経験を整理できるか」で十分巻き返せる。
✓業界ごとに“刺さるポイント”は違うので、IT・広告・メーカー・商社・コンサルの特徴を押さえたうえで自分のエピソードとつなげる。
✓主体性・コミュニケーション・観察力の3つを、日常のサークルやバイトの中で意識して鍛えていくことが、最終的な内定につながる。
