バリバリ文系だけどIT業界、気になる…。でも「知識も資格もないし、自分なんて無理かも」と不安になりますよね。この記事では、東京都立大学3年のこなぎさんと、元Amazon Web Servicesの新卒・中途採用担当だったまどかさんの“模擬面接&フィードバック”をもとに、「IT業界の面接でどこが見られているのか」「文系でも戦えるポイントはどこか」を5つのトピックに分けて整理していきます。
トピック1:IT業界を目指した理由と「教育×IT」への興味
志望理由は?
まどか:改めまして、まどかと申します。これまで新卒採用を中心に担当していて、直近だとAmazon Web Servicesの新卒・中途採用チームにいました。今はリンクトイン・ジャパンで、お客様の採用やエンプロイヤーブランディングをご支援しています。今日はIT業界志望という前提で、一次面接を想定してお話を伺えればと思います。よろしくお願いします。
こなぎ:よろしくお願いいたします。東京都立大学の人文社会学部3年で、教育学を専攻しています。幼児教育から学校教育、社会教育まで幅広く学んでいて、学外ではファストフード店のアルバイトを2年以上続けていて、今はマネージャーを任せていただいています。就活系YouTubeチャンネルの動画ディレクターの長期インターンもしていて、本日はそのあたりの経験や強みをお伝えできればと思っています。
まどか:ありがとうございます。ITっていろんなところでニュースになってますが、こなぎさんが気になっているITのトピックスや、IT業界でやってみたいことってありますか?
こなぎ:私は教育学を専攻しているので、「教育×IT」の分野に興味を持ってニュースを見ています。最近だと、子ども家庭庁がいじめや不登校の相談窓口にAIシステムを導入して、夜間でも相談できるようにするニュースが気になりました。ITの良い部分も悪い部分もあるなと感じて、そこにすごく興味を持っています。
まどか:なるほど。そもそも、なぜ就活の軸の中にIT業界が入ってきたんでしょうか?きっかけや業界としての志望理由を教えてください。
こなぎ:きっかけはやっぱり教育です。小中高の現場にITが取り入れられていることを学ぶ中で、自分が小学生の頃はアナログでITに触れる機会がなかったのに、今はタブレットやAIを使いこなしている姿を見て、時代の変化を感じました。時代に合わせて学んでいくべきだなと思ったのが1つ目の理由です。2つ目は、自分は知的好奇心が旺盛だと感じていて、常に新しいトレンドが生まれるIT業界なら、学び続けながら成長できると思ったからです。
「なぜITなのか」を語るときは、きっかけと業界の魅力を分けて話すと伝わりやすくなります。自分の専攻(教育学)とITニュース(いじめ・不登校×AI)を結びつけて話せているのは、「興味の筋」が通っている状態。ここは強いポイントです。一方でIT業界の面接では、「教育×IT」だけでなく、海外事例や日本以外の動きまで視野を広げて語れると、ぐっと説得力が増すとまどかさんは指摘しています。「知的好奇心が旺盛」「新しいトレンドを追うのが好き」という自己認識は、“ITと相性がいい強み”として前面に出せる材料になります。志望理由は「教育がきっかけ」+「IT業界の特徴(変化・成長環境)と自分の強みが合う」という2段構成で組み立てるのがおすすめです。
トピック2:ガクチカは“盛る”よりも「数字」と「工夫」を伝える
ガクチカを教えてください
まどか:学生時代に力を入れて取り組んだことを教えてください。
こなぎ:2年以上続けているファストフード店のアルバイトです。人と関わることが好きになったきっかけでもあって、接客を通してお客様のニーズを汲み取り、マニュアル+アルファでお答えして満足度を高めることを意識してきました。その点を評価していただき、今はマネージャーを任されています。
まどか:マニュアル+アルファの付加価値って、具体的にはどんなことをしていたんですか?
こなぎ:混雑時に、直前でメニューを迷うお客様や、なかなか決めきれない方がいて、列の流れが悪くなってしまうことがありました。そこで、迷われているお客様には強引にならない程度にお好みを聞いて早く選んでいただけるようにしつつ、後ろで待っているお客様にもストレスがかからないように声掛けをするなど、全てのお客様を満足させる接客を心がけていました。
まどか:良いですね。そのエピソード自体はすごく伝わるんですが、IT業界の面接では、例えば「アンケートでこういう結果が出た」「クレームが何件から何件に減った」みたいに、数字で改善を語れるともっと良いですね。
アルバイト経験を話すときは「長く続けた」だけでなく、“何を工夫して、どうお店に貢献したか”まで落とし込むことが大事です。IT業界は文理関係なく、「議論のベースを数字に置く文化」が強いので、ガクチカにも数字や定量的な成果を入れると評価されやすくなります。「全てのお客様をハッピーにしたい」という気持ちは素敵ですが、実際にどう変わったかを示すデータがあると、説得力が一気に上がるとまどかさんはコメントしています。普段からアンケート結果、売上、クレーム件数など、“数値で成果を測れる指標”を意識して動く癖をつけておくと、就活本番で話せる材料が増えるのでおすすめです。
トピック3:長期インターンと時間管理は「仕組み化」をアピール
インターンの内容について深堀り
まどか:インターンについても詳しく教えてもらえますか?どのような業務に携わっているんでしょう。
こなぎ:就活系YouTubeチャンネルの動画ディレクターをしていて、まず企画を考えて社員さんに提案し、OKが出たら企画を固めてキャスティングをします。SNSで声をかけたり、過去出演者の方に連絡したりして日程調整をし、当日はMCとして場を回します。終わったあとは編集の方に発注してやり取りをし、サムネイルの構成をデザイナーさんに送って、最後に投稿後の数字を分析するところまで、一貫して担当しています。
まどか:アルバイトとインターン、両立は大変じゃないですか?時間管理はどうしていますか?
こなぎ:最初はどちらも頑張りたいのに時間配分がうまくいかず、健康的に厳しくなってしまったんですけど、今は「平日はインターンに没頭、休日はアルバイトに没頭」とメリハリをつけています。インターンは週4くらい入って、土日は朝にアルバイトを入れて、朝早く起きて午後は別のことに時間を使うようにすることで、うまく回せるようになってきました。
まどか:今お話ししてくれたみたいに、「どう仕組み化したか」「どう効率化したか」という話ができると、IT業界の人にはかなり刺さります。事業が大きくなったときに、今1やっていることが10になっても回せる人かどうか、すごく見られるので。
長期インターンや「バイトと両立」は、それだけで立派なネタですが、IT業界ではさらに一歩進んで、「どう仕組み化したか」「どう効率化したか」まで話せると強いです。こなぎさんは実際に「平日はインターン、休日はバイト」「朝にバイトを入れて生活リズムを整える」といった工夫をしていて、これはまさに“自分なりの運用ルール”=仕組み化になっています。IT業界では事業が拡大したときに仕事量が一気に増えることも多く、「それをどう自分なりに回すか?」というスケーラブル思考が求められます。面接で聞かれたときは、「大変でした」だけで終わらせず、“こういう課題があって→こう工夫して→こう変わった”という流れで語れるようにしておくと好印象です。
トピック4:強み・弱みは「エピソード+改善プロセス」で伝える
強みと弱みを教えてください
まどか:こなぎさん自身の強みと、逆に弱みだなと思っている部分も教えてください。
こなぎ:強みは知的好奇心が強いところと、責任感が強いところです。動画ディレクターとして企画する上で、常にいろんなところにアンテナを張って新しい情報を得るために、情報収集専用のSNSアカウントを作って、YouTubeやInstagramでさまざまなアカウントをフォローしています。だらだらSNSを見る時間を、企画のヒントになる時間に変えられたかなと思っています。
まどか:責任感の方は、周りからどう言われますか?
こなぎ:インターン先の社員さんからは「仕事を任せやすい」「気兼ねなく頼みやすい」と言っていただけました。頼んだことに対して否定的な反応をせず、どんな仕事も前向きに取り組む姿勢があるから、信頼して任せられると言ってもらえたのが印象に残っています。
まどか:逆に弱みの方は?
こなぎ:自己完結しすぎて、人に頼るのが少し苦手なところです。大学1年のとき、ケーキ屋さんで初めてのアルバイトをしていたんですが、忙しそうだから聞き直すのは迷惑かなと思って、自分の理解だけで作業を進めてしまい、詰め方を間違えてやり直しになったり、そういうミスが積み重なって「コミュニケーションが足りてないよ」と指摘を受けました。その経験から、仕事について聞き直したり頼ったりするのもコミュニケーションの一つなんだと気づき、今は進捗共有や相談をこまめにするように意識しています。
まどか:そこまで具体的に気づいて、行動も変えられているのはとても良いです。ただ、「人に頼るのが苦手」という言い方だけ切り取られると、IT業界では「この方、プロジェクトで情報を取りに行けないかも」とマイナスに捉えられる可能性もあるので、言い回しは少し工夫した方が良いかもしれません。
強みは「ラベル」だけでなく、“それを発揮した具体的な行動”まで話すと面接官に伝わります。こなぎさんの「情報収集専用アカウントを作った」「どんな仕事も前向きに受ける」という話は、知的好奇心と責任感が行動に落ちている良い例です。弱みは、「ただの短所」に聞こえないように、失敗→気づき→改善アクションまでセットで語ることが重要です。IT業界では特に、チームで進めるプロジェクトが多く、「人に頼るのが苦手」というワードはそのままだと致命傷っぽく聞こえることも。言い方としては「一人で抱え込みがちだったが、○○の経験から、今は△△を意識している」のように、改善マインドと行動変化を前面に出す形にすると安心感を与えられます。
トピック5:IT業界ならではの面接ポイントとフィードバック
面接のフィードナックはいかに?
こなぎ:本日は模擬面接ありがとうございました。まどかさんの雰囲気が本当に話しやすくて、急かされる感じがなく、緊張で飛んでしまうこともなく話せました。
まどか:そう言ってもらえて良かったです。Amazonでは全社員が面接官トレーニングを受ける文化があって、質問の仕方や深掘りの仕方を学ぶんです。できるだけ質にばらつきが出ないようにしています。
こなぎ:今回の一次面接、丸かバツかでいうとどうでしたか…?
まどか:人柄や優しさ、気配りがあるところはすごく伝わって、「仲間になりたいな」と思いました。ただ、IT業界の一次面接としては、条件付きで合格、場合によってはバツかもしれないですね。文系・理系は全く関係なくて、AWSの技術職でも文系出身で内定まで行かれる方はいます。でも一次面接でも、「なぜIT業界なのか」「自分なりにどう勉強してきたのか」をしっかり語れないと、バツになってしまう可能性が非常に高いです。
まどか:例えば今日のニュースの話も、日本の教育分野だけでなく、海外でどんな事例があるか、教育に限らず子どもとAIの関わりをグローバルにどう見ているかまで話せると、視野が広い印象になります。また、「教育×ITでこういうことをしたい」という将来像は、業界志望理由の中に最初から入れておけるともっと良かったです。
まどか:IT業界特有のポイントでいうと、①数字で根拠を示せるか、②論理的にプロセスを話せるか、③改善マインドセットがあるか、④効率化やスケーラブルな考え方ができるか、このあたりはかなり厳しく見られていますね。
IT業界は「文系だから不利」ということは一切ない一方で、一次面接の段階から「なぜITなのか」「自分なりにどう勉強してきたか」がはっきりしていないと、普通にバツになる世界です。志望理由では、「ニュースを見て興味を持った」だけでなく、海外事例・他分野との比較など、視野の広さを見せられるとレベルが一段上がるとまどかさんは指摘しています。「教育×ITでこういうことがしたい」「自分の強みを使って、社会にこう貢献したい」といった“やりたいこと”は、志望理由の中に先に入れておくと、営業・企画・PMなど、どの職種で見ても「この子をプッシュしたい」と思ってもらいやすくなります。IT業界の面接で特に重視されるのは、数字を使って根拠を示せるか、事象→自分の行動→他者からのフィードバック→学びのプロセスを論理的に話せるか、改善マインドと効率化の視点があるかという点です。
✓文系・理系は関係なく、IT業界では「なぜITか」「どう学んだか」を一次面接からしっかり聞かれる。
✓ガクチカやアルバイト経験は、ストーリーだけでなく数字や工夫(仕組み化・効率化)まで語ると評価が上がる。
✓強み・弱みは「ラベル」ではなく、具体的な行動と失敗→気づき→改善のプロセスで伝える。
✓IT業界では、視野の広さ(海外・他分野)と、スケーラブルな考え方、改善マインドセットが特にチェックされる。
✓志望理由には「やりたいこと」と「自分の強み」をセットで入れて、“この業界・この職種だからこそ自分が活きる理由”を示すのがポイント。
