「マーケ=かっこいい」「イケてる社会人になりたい」。
そんな憧れからIT系大手のマーケ部署、しかもCM・プロモーションど真ん中のチームに入社したみかげさん。でも、1年と少しで早期離職を選びました。そこから、外資ファッションブランドのPR/マーケ職に転職して海外移住まで…という逆転キャリアの裏側を聞きました。
自己紹介
とっきー
自己紹介をお願いします!
みかげさん
新卒でIT系の大手企業に入り、マーケ職でCM制作・イベント・駅ナカ広告などを担当していましたが、1年ちょっとで早期離職。その後、外資系ファッションブランドのPR/マーケに転職して、今は海外で働いています。
トピック①:憧れで飛び込んだ「花形マーケ職」
とっきー
まず新卒で入ったのはどんな会社?
みかげさん
IT系の会社で、部署はマーケティング。その中でもCM制作、イベント企画運営、駅ナカ広告(OOH)の企画〜運営をやる、いわゆる“花形チーム”だった。
とっきー
就活生の時からマーケ狙いだった?
みかげさん
うん。でも正直、中身はほぼわかってなくて、「広告制作・マーケ=かっこいい」って思っていた(笑)。スーツ社会が苦手で、広告・マーケ系の面接行くと、社員さんが皆んなTシャツ短パンで来るから、「こういうイケてる大人の中で働きたい」っていう想いが強くなった。
とっきー
わかる、その憧れ…。
みかげさん
完全に“雰囲気就活”だったと思う。
💡ポイント
マーケ志望のスタートは「中身」より「かっこよさ」になりがち/カジュアルな服装=自由・イケてる大人、というイメージに惹かれやすい/仕事理解が浅いまま入ると、「憧れ」と現実の差でしんどくなりやすい
マーケ志望のスタートは「中身」より「かっこよさ」になりがち/カジュアルな服装=自由・イケてる大人、というイメージに惹かれやすい/仕事理解が浅いまま入ると、「憧れ」と現実の差でしんどくなりやすい
トピック②:早期離職の理由
とっきー
1年2ヶ月で退職した理由は?
みかげさん
一番は環境が合わなかった。5〜6人くらいの小規模チームで、社長直轄レベルの大きなプロジェクトを複数回してたから、上司たちに余裕が全然なかった。指示は雑だし、スケジュール管理もガタガタ。
とっきー
新卒的にはキツいね…。
みかげさん
新卒って「わからないことがわからない」状態じゃん。本当はタスク量の整理とか、スケジュール感は一緒に考えてほしかった。でも実際は「とりあえず任せる=裁量権」で、責任は全部新卒って感じだった。
みかげさん
だから、ここは自分がいるべき場所じゃないって思ったし、2年目はもっと成長できる環境へ行きたいって思ったのが理由かな。
とっきー
入社前後のギャップを認識した後の、体調や精神状態に変化はあった?
みかげさん
体調よりも、何のために頑張っているのかわからなくなって、極端にやる気がなくなった。チームのマネジメントの欠如によって、意欲やモチベーションが削られていたのが、精神的にきつかった。
💡ポイント
“裁量権=丸投げ+放置”になっている組織は危険/結果が悪いときに、チームとして原因を言語化しないのはマネジメントの欠如/「何のために頑張っているのかわからない」長時間労働はメンタルを削る
“裁量権=丸投げ+放置”になっている組織は危険/結果が悪いときに、チームとして原因を言語化しないのはマネジメントの欠如/「何のために頑張っているのかわからない」長時間労働はメンタルを削る
トピック③:就活では見抜けないことと、「働いてからの自己分析」
とっきー
これって就活のときに、見抜けたと思う?
みかげさん
正直、無理だったと思う。私はインターンもほぼしてなかったから、“働く”って何かを知らないまま就活してた。
とっきー
自己分析をもっとやれば…は違う?
みかげさん
ぶっちゃけ、仕事前の自己分析って限界あると思う。働く前の自分と、働いてからの自分って、価値観も見える世界も全然違うから。もちろんやらないよりはやった方がいいけど、本質的には「仕事を経験してから」の自己分析の方がよっぽど意味ある。
とっきー
じゃあ、過去の自分にアドバイスするなら?
みかげさん
「自己分析より、一回“働いてみる”経験を持って」って言うかな。自分がやりたい仕事に近い業界や職種でインターンして、「働くってこういうことか」を1回味わう。それだけで就活ガチャのハズレ率は下がると思う。
💡ポイント
就活時点では見えないことの方が圧倒的に多い/自己分析だけではなく、「働いてみる」経験で仕事観がアップデートされる/就職はある程度“ガチャ”だと割り切りつつ、インターンでハズレ確率を減らすのが現実的
就活時点では見えないことの方が圧倒的に多い/自己分析だけではなく、「働いてみる」経験で仕事観がアップデートされる/就職はある程度“ガチャ”だと割り切りつつ、インターンでハズレ確率を減らすのが現実的
トピック④:「辞めたいけど辞められない」を抜け出すまで
とっきー
辞めたい気持ちはいつ頃からあった?
みかげさん
割と早い段階からずっとあった。けど、プロジェクトが3〜4ヶ月スパンで入り乱れてるから、「今辞めたら誰がやるの?」っていう気まずさが大きくて、言えなかった。責任放棄って思われたくなかったし、自分でも思いたくなかった。
とっきー
そこで転機になった言葉があったんだよね。
みかげさん
うん。別部門にすごく優しい人がいて、その人にしんどいって話したときに、「会社は君1人いなくても回るから。そんな弱い組織だったらもう潰れてるよ」って言われたの。あと、「いきなり辞めるのが怖かったら、まずは休職して考えてもいいんじゃない?」とも。
とっきー
それで、まず休職した?
みかげさん
そう。いきなり「辞めます」より「一旦休ませてください」の方が言いやすかったから、まず休職を選んで、結果的にそこから退職した。
とっきー
家族からの反応は?
みかげさん
ずっと相談してたから、「そんなにしんどいなら辞めていいよ。仕事なんていくらでもあるから、自分のやりたいことで生きなさい」って感じだった。背中押してくれたのは、かなり大きかった。
💡ポイント
「辞めたら会社が回らない」は思い込み/第三者の「会社は回るよ」という一言で視界が開けることもある/いきなり退職が怖ければ“休職”というワンクッションも選択肢にできる
「辞めたら会社が回らない」は思い込み/第三者の「会社は回るよ」という一言で視界が開けることもある/いきなり退職が怖ければ“休職”というワンクッションも選択肢にできる
トピック⑤:早期離職から外資ファッションPRへ──「3年ルール」なんていらない
とっきー
辞めたあとは、すぐ次の会社へ?
みかげさん
うん。仕事自体は嫌いじゃなかったから、少し休んでからすぐ転職活動した。そこで入れたのが、自分じゃ受かると思ってなかったレベルの、外資系ファッションブランドのPR・マーケディレクター職だった。
とっきー
むしろキャリアアップしてるよね。
みかげさん
自分でも「よく入れたな」ってレベル(笑)。でもそこで働いてみて、「自分はITよりファッションの方がPR/マーケには向いてる」「この業界の方が楽しい」とはっきりわかった。
とっきー
当時、転職エージェントには何て言われた?
みかげさん
「1年ちょっとで辞めてるのは人事から見たらネガティブだから、対策が必要」って散々言われた。でも実際は、その“早期離職”を気にしない会社に普通に受かった。
みかげさん
今振り返ると、「1年で辞めたのを気にする会社」とはそもそも合ってないんだよね。そこよりも、自分の価値観や責任感をちゃんと見てくれる会社と出会えた方が絶対いい。
とっきー
しかも、転職先で英語ゼロから使うようになって、今は海外移住…だもんね。
みかげさん
そう。辞めた時点では「好きな食べ物は?」も英語で言えなかったのに、日常的に英語を使う環境に飛び込んだら、半年ちょっとで会話できるようになった。海外の友達も増えて、今はその延長線上で海外で働いてる。あのタイミングで辞めてなかったら、絶対こうなってない。
💡ポイント
「3年いないとキャリアに傷」は“気にする会社”のフィルターでしかない/早期離職でも、自分に合う業界・職種ならむしろキャリアアップできる/自分にとっての「本当にいたい場所」を選ぶと、成長スピードも景色も一気に変わる
「3年いないとキャリアに傷」は“気にする会社”のフィルターでしかない/早期離職でも、自分に合う業界・職種ならむしろキャリアアップできる/自分にとっての「本当にいたい場所」を選ぶと、成長スピードも景色も一気に変わる
トピック⑥:就活生・若手へ──条件より「この人みたいになりたいか」で選ぶ
とっきー
就活生に伝えたいことは?
みかげさん
一番大事なのは「自分が仕事に何を求めているか」「どんな人でいたいか」。それを人として体現している社員に会えるかどうかだと思う。
とっきー
憧れる社員さんがいるか、だね。
みかげさん
そう。面接・OB訪問・インターンを通して、「この人みたいになりたい」「この人と一緒に働きたい」と思える人に出会えた会社は、かなり当たり。逆に、どれだけ条件が良くても、そういう人が一人もいないなら、慎重になった方がいい。
とっきー
募集要項の条件は“おまけ”くらい?
みかげさん
正直、労働時間・初任給・福利厚生みたいな条件って、長い人生から見たらめっちゃ小さい。自分が憧れる人が選んでいる場所に自分も身を置けるかどうかの方が、よっぽど大きい。
みかげさん
それでもし入社後に「違う」と思ったら、さっさと辞めて次の場所を探せばいい。怖いけど、何かを失わないと手に入らないものも確実にあるから。
💡ポイント
就活の「当たり企業」は“憧れる人がいるかどうか”で見分ける/条件はあくまで補足、誰と働くかがキャリアの質を決める/違うと思ったら、怖くても環境を変える勇気が長期的な幸福度を上げる
就活の「当たり企業」は“憧れる人がいるかどうか”で見分ける/条件はあくまで補足、誰と働くかがキャリアの質を決める/違うと思ったら、怖くても環境を変える勇気が長期的な幸福度を上げる
まとめ
✔️「かっこいいから」で選んだキラキラ職業は、裁量権と責任の押し付けがセットになりがち。
✔️仕事に意味を見いだせなくなると、やる気も生産性も落ちる。それは“自分だけのせい”ではなく、環境要因も大きい。
✔️就活前の自己分析だけでは限界がある。「働いてからの自己分析」で、自分の軸は鍛え直される。
✔️早期離職しても、その後の選び方次第でむしろキャリアアップは十分可能。「3年ルール」を気にする会社とは合わなくていい。
✔️企業選びの基準は条件よりも「この人みたいになりたい」と思える先輩がいるかどうか。違うと思ったら、怖くても環境を変える選択肢を持っておく。
みかげさん
“傷がつく”早期離職より、“自分をすり減らし続ける”長期在籍の方がよっぽどリスク。憧れる自分に近づける場所かどうかで、素直に選んでみよう。
