今回は、岡本さんがオンラインGD(テーマ:20年後に消える職業の中でインパクトが大きいもの)を見て行ったフィードバックから、「受かるGDの押さえどころ」と「実際に学生がやりがちだったポイント」をまとめます。
UZUZ代表取締役。新卒・既卒・第二新卒向けの就職支援と、企業側の採用設計・面接官トレーニングなども行う。GDや面接を「企業目線」で解説する就活系YouTubeでも人気。
グループディスカッションで企業は何を見ている?
グルディスの目的は?
岡本さん:グループディスカッションの目的は大きく二つです。 一つは「一度に多くの学生を見て効率的にふるいにかける」こと。 もう一つは「個人面接では見えない“チームでの協調・連携の仕方”を見ること」です。
岡本さん:話す内容そのものよりも、「他人と一緒に考えるときの態度」「空気を壊さずに意見を出せるかどうか」が強く見られます。
GDは「正解を当てるテスト」ではなく、「他人と一緒に仕事をするときの振る舞いのリハーサル」。 企業は、論理性だけでなく、役割分担や時間配分の相談、意見の違いが出たときの振る舞い、沈黙やズレをどう扱うかを通じて、「一緒に働きたいか」「任せて安心か」を見極めています。
今回のGDに対するFB
一番惜しかったのは“定義の甘さ”と“インパクトのズレ”
岡本さん:テーマは「20年後に消える職業の中でインパクトが大きなものは何か」。 チームは途中で「インパクト=マイナスの影響」と定義していましたが、そのあとに出たアイデア(レジの自動化で接客が減るなど)は、その定義とズレたまま話が進んでいました。 誰かが「今の話、定義と少しズレてないか?」と一度立ち止まれると、議論の筋が通りやすかったと思います。
岡本さん:最終的な結論は「塾講師など教育業界の仕事が消えるのがインパクト大」というものでしたが、「学生にとってのインパクト」と定義した割に、その影響が本当に学生にとってネガティブかどうかの検証が浅かったです。
岡本さん:オンライン化で優秀な先生の授業が地方でも受けられる、アルバイトが他の職種に移るなど、ポジティブな側面もありえるので、「インパクト=悪いこと」と短絡的に決めてしまうと説得力が弱くなります。
抽象テーマでは「用語の定義」と「誰にとってのインパクトか」を決めたあと、それに沿っているかを常にチェックすることが重要。 今回のように「インパクト=学生へのマイナス」と置いたなら、①その職業が本当に学生生活を悪化させるか、②代替手段やポジティブな影響はないか、まで検証しないと、面接官からは「時間内に形にしただけ」に見えやすくなります。 定義を決めるだけでなく、「今の話はその定義と整合しているか?」と誰かが都度ツッコミを入れることで、議論の質は一段上がります。
各メンバーの“光ったところ”と“次の一手”
中原さんタイプ:最初に場を動かす勇気
岡本さん:中原さんは「役割決めましょう」と口火を切り、GDを動かした点が非常に良かったです。 一番最初に喋るのは勇気がいりますが、そこで迷わず仕切りの方向を提示できたことで、時間のロスが減り、チームが動き始めました。
岡本さん:また、AIなどのキーワードを出して「今後なくなりそうな仕事への主要因」を示したのも、議論を一段深くするきっかけになっていました。
岡本さん:一方で、「インパクト=マイナス」と決めた後に、単に「なくなりそうな仕事」を羅列してしまう場面もありました。 ここは、「定義したインパクトに照らして、その仕事が消えたとき本当に何が起きるか」まで踏み込めると、同じアイデアでも評価が上がったと思います。
筧さんタイプ:軌道修正のセンスと声のボリューム
岡本さん:筧さんは、時間表示の置き方など細かい気づきもそうですが、「最初に決めた学生フォーカスが本当に良いのか?」と途中で問い直したり、話がズレたときに「一度インパクトの定義に戻った方がいいのでは」と発言するなど、“議論の軌道修正役”として非常に質の高い動きをしていました。
岡本さん:これはGDではかなり難しい行動で、「空気を壊しそうで怖い」部分でもありますが、筧さんは言い方が柔らかく、チームにとってプラスの方向に持っていけていたので、貢献度は高かったです。
岡本さん:ただ一方で、声が少し小さくて聞き取りにくい場面もありました。 発言内容が良いだけに、もう少しだけ声量を上げたり、はっきり話すだけで評価はさらに上がると思います。
中村さんタイプ:雰囲気づくりと“目的意識付き”の一言
岡本さん:中村さんは、最初の「いいね」というポジティブなリアクションで場の緊張を和らげたり、終始明るいトーンで話すことで、他の人が発言しやすい空気を作っていました。 GDでは「雰囲気係」が軽く見られがちですが、一緒に働きたいかどうかを見ている面接官にとっては、こうした人の存在は非常に大きなプラスです。
岡本さん:ただ、いくつかの発言は「思いつき気味」で、議論の流れと目的(何を決めたいフェーズか)との紐づけが弱い場面もありました。次のステップとしては、「今このフェーズは何を目的にしてるか?」「この一言はその目的にどう貢献するか?」を一瞬だけ意識してから話すと、持ち前の明るさと論理性の両方をアピールできます。
高橋さんタイプ:進行と素直さの強さ
岡本さん:高橋さんは、時間配分の段階で「今は時間の決め方を話すフェーズですよね」と話を元に戻したり、「インパクトの定義を先に決めましょう」と提案したりと、進行役として重要な部分を押さえていました。 また、自分が進めていた方向を、加計さんの提案でスッと切り替え、「確かにその方が良いですね」と柔らかく受け入れた点も印象的でした。
岡本さん:自分の案へのこだわりより、「チームとしてより良い方向に行くか」を優先できる素直さ・柔軟さは、企業が見たい要素です。ここに、「インパクト定義と合っているか?」「学生以外も含めた視点はないか?」といった深掘りの一言を足せるようになると、リーダー寄りの評価も狙えると思います。
個人ごとに評価ポイントは違っても、「最初の一歩を出す勇気」「軌道修正のセンス」「場を和ませる姿勢」「素直に方向転換できる柔軟さ」は、いずれもGDで高く評価される共通の素養。それに加えて、「定義との整合性をチェックする一言」「ゴールからの逆算」が入ると、一段上の評価になりやすくなります。
