就活の山場だった第一志望の結果が出ると、良くも悪くも「この先どうしよう」を考えざるを得なくなります。受かっても、落ちても、そこで一度心が止まるのは自然なこと。ただ、そこで自分の本音と向き合えるかどうかで、その後の動きが変わってきます。今回は、就活企画のリベンジ面接を経て第一志望に落ちたしおんが、“本当に変わりたい自分”を言葉にしていくプロセスを追います。
自己紹介
ばらまつ
自己紹介をお願いします!
しおん
中央大学3年のしおんです。
セカニチさん
セカニチです。普段は就活生や若手社会人のキャリア相談に乗っています。
トピック①:リベンジ面接の結果は「一次なら丸、二次なら三角」
ばらまつ
まずはセカニチさんとのリベンジ面接、お疲れさまでした。自分的にはどうだった?
しおん
緊張はしましたが、前よりは少しマシになった感覚はあります。ただ、自己評価としてはまだ“バツ”だと思います。
ばらまつ
実際の結果はどうだったの?
しおん
フィードバックでは「一次面接なら丸、二次なら三角」と言われました。元気・明るさ・笑顔・会話がきちんと成立している点は評価してもらえて、「その時点で上位10%くらいには入っている」と言ってもらえました。前回の面接動画を死ぬほど見返して対策した努力も「伝わっている」と言ってもらえて、そこは嬉しかったです。
💡ポイント
一次突破レベルの「明るさ・笑顔・会話力」があっても、二次以降では“それだけでは足りない”。「何を改善したか」と「その結果どう変わったか」まで示せると、評価が一段上がる。
一次突破レベルの「明るさ・笑顔・会話力」があっても、二次以降では“それだけでは足りない”。「何を改善したか」と「その結果どう変わったか」まで示せると、評価が一段上がる。
トピック②:課題は具体と抽象のバランス
ばらまつ
良かったところだけじゃなくて、課題もかなり指摘されてたよね。どんなこと言われた?
しおん
一番大きかったのは、「話が抽象に寄りすぎていて具体が足りない」という指摘です。抽象から入って具体に落とす流れ自体はいいけれど、「抽象7:具体3」になっていて、聞いている側は途中で内容を忘れてしまう、と。
しおん
理想は「抽象3:具体7」で、数字やエピソードの厚みをもっと出してほしい、と言われました。
ばらまつ
自分でもそう感じる場面はあった?
しおん
言われてみると、たしかに“熱さの話”や“想いの話”が長くなっていて、具体的な行動や成果が薄いなと…。そこは次に直したいポイントですね。
💡ポイント
自己PRや志望動機は、「抽象のかっこいい言葉」だけだと印象に残らない。短く刺さる抽象+“具体例と数字”で7割埋めるくらいのイメージで、バランスを整える必要がある。
自己PRや志望動機は、「抽象のかっこいい言葉」だけだと印象に残らない。短く刺さる抽象+“具体例と数字”で7割埋めるくらいのイメージで、バランスを整える必要がある。
トピック③:「第一志望です」と言うなら、行動で裏付けを取れ
ばらまつ
もう一つ、ミナミさんにかなり厳しく突っ込まれたのが「第一志望の論理性」だったよね。
しおん
はい。「就活を7月から本格化して5ヶ月経っているのに、他社の社員訪問はほぼゼロ。第一志望の会社の社員とも1人しか会っていない。これで本当に第一志望と言えるの?」と言われました。
しおん
企業としては内定辞退率ゼロを目指しているから、「第一志望と言うなら、その熱量に見合う行動があるか」をかなり見ている、と。そこで「行動が伴っていない=爆弾予備軍」と判断されると、どうしても三角になる、と聞いて、たしかにな…と思いました。
💡ポイント
「第一志望です」は言葉ではなく“行動回数”で見られる。社員訪問の数・他社との比較検討のプロセスなど、熱量の“証拠”を意識して作っておくと説得力が増す。
「第一志望です」は言葉ではなく“行動回数”で見られる。社員訪問の数・他社との比較検討のプロセスなど、熱量の“証拠”を意識して作っておくと説得力が増す。
トピック④:第一志望サイバーに落ちて、「挑戦すること」を新しい軸に
ばらまつ
リベンジ面接も終わって、「いけるんじゃないか」と思った矢先に、第一志望のサイバーエージェントの結果が出たんだよね。
しおん
はい、落ちました。かなりショックでしたけど、そこから「今後どう動くか」を考え直しました。今までは「行きたい会社を受ける」が主だったけど、これからは「課題を見つけたときに、そこから逃げず挑戦すること」を軸にしたいと思うようになりました。新しく他の企業を受けるときは、「難しそうだから避ける」のではなく、「挑戦できる環境か」で見ていこうと思っています。
💡ポイント
第一志望に落ちたタイミングは、「就活の軸をアップデートする」チャンスでもある。結果だけにとらわれず、「この経験から、自分は何を大事にしたいと気づいたか」を言語化すると次の一歩が見える。
第一志望に落ちたタイミングは、「就活の軸をアップデートする」チャンスでもある。結果だけにとらわれず、「この経験から、自分は何を大事にしたいと気づいたか」を言語化すると次の一歩が見える。
トピック⑤:「やれるのにやれない」ストレスがない会社に行きたい
セカニチさん
しおんくんが「挑戦すること」を軸にしたいと言ってたけど、就活を通して自分がどういう状態になっていたら、“就活成功した”と言えそう?
しおん
やれるのにやれない、というストレスがない会社に就職できたら嬉しいです。自分が「これをやりたい」と思ったときに、よく分からない圧力によって止められる状況は嫌だなと。
セカニチさん
それだけ聞くと、「最初からベンチャーや起業の方が合うんじゃない?」とも感じるけど、なんで就職を選んだの?
しおん
ゼロイチで新しいものを作ることよりも、「すでにあるものの課題を見つけて改善するほうが向いている」と思っているからです。「ここが課題だから、こうしたい」と考えるのは好きだけど、ゼロから事業を起こすのは苦手だなと。
💡ポイント
「やれるのにやれないのが嫌」という価値観は、挑戦的な環境を求めるサイン。ただし「ゼロイチではなく改善タイプ」という自己認識もセットで持っていると、ベンチャー・大企業どちらを選ぶにしてもミスマッチを減らせる。
「やれるのにやれないのが嫌」という価値観は、挑戦的な環境を求めるサイン。ただし「ゼロイチではなく改善タイプ」という自己認識もセットで持っていると、ベンチャー・大企業どちらを選ぶにしてもミスマッチを減らせる。
トピック⑥:ダイアリーは「やりたいと言えばやれる」。でもそこに入社しない理由
セカニチさん
ちなみに、今インターンしているダイアリーで、「こうしたいのにできない」と感じることはある?
しおん
それで言うとダイアリーは「こうしたいです」と言えばやらせてもらえる環境です。インスタの仕事も「こうしたほうがいい」と思ったことは、基本任せてもらえているので、もどかしさはほぼないです。
セカニチさん
じゃあなぜ、入社候補にダイアリーが入ってない?
しおん
学生のときから接しているので、良くも悪くも「雰囲気が想像できてしまう」感覚があって。自分が見えている世界が広がらないんじゃないか、もう少し大きな組織や仕組みの中で働く経験も必要なんじゃないか、と思っていました。
しおん
それに、自分は見栄っ張りなところもあって、「一定のブランドを持っていたい」という気持ちも正直あります。
💡ポイント
「いい会社かどうか」と「自分がそこに入るかどうか」は別問題。既に知っている環境の良さを理解しつつ、「視野を広げたい」「ブランドもほしい」という気持ちがあるなら、その矛盾ごと認めて選択肢を考える必要がある。
「いい会社かどうか」と「自分がそこに入るかどうか」は別問題。既に知っている環境の良さを理解しつつ、「視野を広げたい」「ブランドもほしい」という気持ちがあるなら、その矛盾ごと認めて選択肢を考える必要がある。
トピック⑦:塾バイトをやめられない理由は“承認欲求”だった
ばらまつ
しおんくんと言えば、塾講師のバイトにかなり時間を使っていて、「就活に時間を割けてない」という課題もあったよね。優先順位についてはどう考えてる?
しおん
就活のほうが重要なのは頭では分かってます。でも、「自分がやったほうが他の人より良い授業ができるだろう」と思ってしまうし、「自分が抜けたらこの生徒たちはどうなるんだろう」と考えると、辞めづらくて…。
セカニチさん
塾をやめることのデメリットって何?
しおん
「教えること」が、自分の中で唯一“自信を持ってできること”なんです。それがなくなると、自分の存在意義がよく分からなくなりそうで怖い。授業をしているときは、生徒からの反応を通じて承認欲求が満たされる感覚があって、それを手放すのが怖いんだと思います。
💡ポイント
「やめられないバイト」は、単なるお金や責任感だけでなく、「自分の唯一の自信」や「承認欲求」と紐づいていることが多い。そこを自覚しないまま優先順位をつけようとしても、なかなか動けない。
「やめられないバイト」は、単なるお金や責任感だけでなく、「自分の唯一の自信」や「承認欲求」と紐づいていることが多い。そこを自覚しないまま優先順位をつけようとしても、なかなか動けない。
トピック⑧:本音の告白──“自由な友達”への嫉妬と、自分のコンプレックス
セカニチさん
今日かなり本音を話してくれているけど、しおんくんの中で一番触れたくなかった部分ってどこ?
しおん
高校時代からずっとバイトをしていて、「遊びを切り離して働く自分」によって自分を正当化してきたところがあります。でも本当は、ヒッチハイクで日本一周している友達とか、「なんであいつは働いてもいないのに自由に生きてるんだよ」と嫉妬している自分がいました。
しおん
「俺は頑張ってるからあいつとは違う」と自分を納得させてきたけど、本音ではそっちの生き方に憧れている。
しおん
その“見にくい感情”を見ないふりをしてきたのがコンプレックスで、このまま何もしなければ、一生その苦しさを抱えて生きる気がして、息苦しいです。これ、誰にも言ったことなかったんですけど…。
💡ポイント
「本当は自由に生きたいのに、自分で決めた“まじめな自分像”に縛られている」というギャップは、行動を変える強いきっかけになり得る。本音を言葉にできた瞬間が、行動変化のスタートライン。
「本当は自由に生きたいのに、自分で決めた“まじめな自分像”に縛られている」というギャップは、行動を変える強いきっかけになり得る。本音を言葉にできた瞬間が、行動変化のスタートライン。
トピック⑨:「塾を休む=逃げ道を封じる」決断へ
セカニチさん
今日の話を踏まえて、これから具体的にどう動こうと思ってる?
しおん
まずは、塾をお休みするかどうかを真剣に考えます。塾をやめることは、自分の“勝てる場所”を手放すことになるけど、その分新しく勝てる分野を自分で作りにいかなきゃいけない。
しおん
それが怖いけど、このままコンフォートゾーンに逃げ続けるのも嫌なので、「言い訳できない状態」に自分を持っていく必要があると思いました。
ばらまつ
塾をやめるかどうかも含めて、自分の“取扱説明書”を作ってあげるといいかもね。「自分はこういうときに逃げるから、こういうルールで縛る」とか。
しおん
そうですね。自分の行動パターンを理解したうえで、あえて逃げ道を減らしていく決断をしたいです。
💡ポイント
「コンフォートゾーンを一つ手放す決断」は怖いけれど、行動を変えたいならどこかで必要になる。“やめること”もまた、自分の行動を変えるための強制力になる。
「コンフォートゾーンを一つ手放す決断」は怖いけれど、行動を変えたいならどこかで必要になる。“やめること”もまた、自分の行動を変えるための強制力になる。
まとめ
✔️リベンジ面接では「明るさ・笑顔・会話力」は高評価だったが、「抽象と具体のバランス」「第一志望に見合う行動の裏付け」が課題として浮き彫りになった。
✔️第一志望サイバーエージェントに落ちたことをきっかけに、「課題から逃げず挑戦すること」を新しい就活の軸に据え直した。
✔️「やれるのにやれないストレスがない会社に行きたい」という本音と、「ゼロイチより改善が得意」という自己認識から、大企業・ベンチャー・起業それぞれとの相性を再考する必要が出てきた。
✔️塾講師バイトをやめられない背景には、「唯一の自信」「承認欲求」が強く紐づいており、それが就活の時間を削るボトルネックになっていた。
✔️「自由に生きる友達への嫉妬」「自分で決めた“まじめな自分”に縛られている苦しさ」を言語化したことで、コンフォートゾーンである塾を一度離れ、“逃げ道を封じる”決断に向き合おうとしている。
セカニチさん
第一志望に落ちた瞬間こそ、自分の本音と向き合うチャンスです。「変わりたい」と思えた今の気持ちを無駄にせず、コンフォートゾーンを一つずつ手放す行動から始めてみてください。
