「今日の面接、全然うまくいかなかった…」——帰り道でそう感じて、何度も頭の中で面接を再生してしまう。知恵袋にも「就活の面接で、ボロボロの失敗をしたけど受かったという人はいますか?」「面接で盛り上がったか盛り上がらなかったかで採用かどうかわかりますか?」という質問がたくさん並んでいます。
結論から言うと、「うまくいかなかった」と感じた面接でも、落ちたとは限りません。面接官の態度や盛り上がりは合否の目安になりにくく、見直すべきなのは「自分が何を答えたか」のほうです。
この記事では、しゅんダイアリーの動画に出てくれた、企業の面接官を務めるエルトさん、元人事の山永航太さん・古賀ゆかさんの話をもとに、落ちたかどうかの見分け方、終わってから24時間以内にやること、次の面接で直すことをまとめました。
「うまくいかなかった」と「落ちた」は別もの
面接の手応えは、面接官のキャラクターや進め方で大きく変わります。手応えがないことは、それだけでは不合格のサインになりません。
理由は、多くの会社では、面接官が合否を「会話の盛り上がり」ではなく、あらかじめ決めた評価のポイントで判断しているからです。面接官のエルトさんは、盛り上がった面接で落ちる理由をこう話しています。
その逆の、淡々とした面接官についてもこう続けます。
さらに、面接の途中で「厳しいな」と判断した学生でも、最後は雑談で和ませて帰すことがあるそうです。
つまり、「盛り上がった=受かった」も「盛り上がらなかった=落ちた」も成り立ちません。淡々とした面接官に当たっただけで、評価は普通に進んでいることもよくあります。
面接官の反応は「その人の話し方のクセ」であることが多い。手応えで合否を予想すると、受かっている面接でも落ち込み、落ちている面接でも油断してしまいます。
当てにならないサインと、見直したほうがいいサイン
「落ちたかも」と感じる理由は、面接官の態度と、自分の回答の中身の2つに分けて考えるのが近道です。態度は当てになりませんが、回答の中身は次の面接で直せる材料になります。
ネットには「落ちるサイン◯選」がたくさんありますが、そのほとんどは面接官の態度です。態度は会社や面接官ごとにばらばらなので、合否の手がかりとしては弱いと考えてください。
当てにならないこと(気にしなくていい)
- 会話が盛り上がらなかった:淡々と進める面接官も多い
- 予定より早く終わった:聞きたいことを聞き終えただけのことも多い
- 面接官の反応が薄い・目が合わない:表情が硬い人、メモに集中する人もいる
- メモをあまり取っていなかった:終わってからまとめて書く面接官もいる
- 次の選考の話が出なかった:面接中に次の話をしない会社も多い
見直したほうがいいこと
- 質問とずれた答えをしてしまった:どの質問で、何を聞かれていたのかをメモする
- 深掘りされて、前の答えと食い違った:志望動機・ガクチカ・自己PRがつながっていない可能性
- 「なぜうちの会社?」にうまく答えられなかった:企業研究と志望理由の作り直しが必要
たとえば「面接官が一度も笑わなかった」は気にしなくていい側です。一方で「『それは他の会社でもできますよね?』と聞かれて、何も言えなかった」は、見直したほうがいい側です。前者は相手の問題で、後者は次の面接までに自分で直せます。
「落ちたかどうか」を考えるより、「直せるところがあったか」を考える。直すところが見つからなければ、気持ちを切り替えて結果を待ちましょう。
選考の段階によって、つまずきやすい場所は違う
同じ「うまくいかなかった」でも、一次・二次・最終では見られているものが違います。自分がどの段階のどこでつまずいたかを知ると、直し方が具体的になります。
しゅんダイアリーの動画に出てくれた元楽天人事の山永航太さん・元リクルート採用責任者の古賀ゆかさん、面接官のエルトさんの話をもとに、編集部でまとめると次のとおりです。
- 一次面接:短い時間で、矛盾のない自分の話ができるか、話がかみ合うかが見られやすい。→ 聞かれたことに結論から答えられたか、志望動機・ガクチカ・自己PRがつながっているかを見直す
- 二次面接:「自分のチームに入れたいか」という目線で、深掘りへの答え方が見られやすい。→ 深掘りされて詰まった質問はどれか、入社後の具体的なイメージを話せたかを見直す
- 最終面接:会社の考え方や雰囲気に合うか、本当に入社する気持ちがあるかが見られやすい。→ 「なぜこの会社か」を自分の言葉で話せたか、優等生の答えだけで終わっていないかを見直す
最終面接について、古賀さんは「一般的な能力は高いんだけれど、うちじゃないんだよな、で落とすケースも全然あります」「自分が悪かったと思わない方がいい」とも話しています。最終で手応えがなかった場合は、こちらの記事に対策をまとめています。
段階ごとの基準をもっと詳しく知りたい人は、元人事2人の解説記事も参考にしてください。
面接が終わってから24時間以内にやること
終わった直後にやるのは「質問と答えをメモする」ことだけ。振り返りは翌日、落ち着いてからで十分です。
落ち込んだまま振り返ると、「全部ダメだった」という感情しか残らず、次に何を直せばいいかが分かりません。エルトさんは「面接に落ちた日」の過ごし方としてこう話していますが、結果が出る前の「うまくいかなかった日」も同じです。
やることは3つです。
- 面接当日(帰り道でOK):聞かれた質問と、自分が答えた内容をスマホにメモする。うまく答えられなかった質問には印をつける
- その日の夜:それ以上考えずに休む。友達に話すなら「どこがダメだったか」ではなく、何があったかだけ話す
- 翌日:メモを見ながら「もう一度同じ質問をされたら、どう答えるか」を書き直す
メモは、次のような形で残すと翌日の振り返りが楽になります。
(例)
- 聞かれた質問:学生時代に力を入れたことは?
実際に答えたこと:サークルの話を時系列で長く話してしまった
次はこう答える:「新入生を2倍にしました」と結論を先に。理由と工夫は2つに絞る - 聞かれた質問:なぜ当社なんですか?
実際に答えたこと:「成長できる環境だから」としか言えなかった
次はこう答える:説明会で聞いた若手の仕事の任され方と、自分の経験をつなげて話す
この「次はこう答える」が、そのまま次の面接の準備になります。よく聞かれる質問ほど別の会社でも聞かれるので、1回の失敗が次の面接の準備に変わります。
面接中に「うまくいっていない」と気づいた時の立て直し方
途中で「話がかみ合っていない」と気づいても、その場で取り返すことはできます。コツは、答えを短くして、言い直しを恐れないことです。
うまくいかない面接の多くは、緊張して答えが長くなり、聞かれたことからずれていくパターンです。面接官は「答えの中身」を評価の材料にするので、ずれたまま話し続けるより、一度戻ったほうが印象を立て直しやすくなります。
- 答えが長くなったら:「つまり、◯◯です」と結論を一言で言い直して終える
- 質問の意図が分からなかったら:「◯◯という理解で合っていますか?」と確認してから答える
- 前の答えが不十分だったと気づいたら:「先ほどの質問に一点補足してもよろしいでしょうか」と伝えて、短く言い直す
- 頭が真っ白になったら:「少し考えをまとめる時間をいただけますか」と言って、5秒黙っていい
- 最後の逆質問・ひとこと:伝えきれなかった志望理由を、質問の形で一つだけ入れる
たとえば逆質問で、「御社では入社1年目から◯◯を任されると説明会で伺いました。私は◯◯の経験を活かして早く現場に出たいのですが、1年目に求められることを教えていただけますか」と聞いてみてください。質問しながら、志望理由と強みを伝え直せます。
言い直しや確認は、それだけで減点されにくいものです。ずれた答えを最後まで話し切るほうが、「話がかみ合わない人」という印象が残ります。
準備不足のまま受けてしまった時と、次は前日にやること
準備不足で受けてしまった面接は、終わったことより「次の面接で同じことをしない」ほうが大事です。前日に30分あれば、最低限の準備はできます。
準備不足の面接でつまずきやすいのは、「なぜうちの会社?」と「あなたはどんな人?」の2つです。どちらもほぼ毎回聞かれるので、ここだけ答えられれば大崩れはしにくくなります。
- よく聞かれる3問の最初の一文を決める:自己紹介・ガクチカ・志望動機について、最初に言う一文だけを口に出して覚える
- 会社の事業を1つ自分の言葉で言えるようにする:会社のホームページで、主な事業か商品を1つ選び、なぜ惹かれたかを一言で言えるようにする
- 逆質問を1つ用意する:説明会やホームページで気になったことを1つメモしておく
準備不足で受けてしまった面接は、振り返りメモに「答えられなかった質問」を書いておけば、次の会社の準備にそのまま使えます。
「やらかした」パターン別の、次の面接で直すこと
多くの「やらかし」は、それ1つで合否が決まるものではありません。ただし、同じことを次の面接でもくり返さないように、原因に合った準備をしておきましょう。下の「どのくらい気にするか」は、編集部の目安です。
- 緊張で頭が真っ白になった
どのくらい気にするか:一度だけなら気にしすぎなくていい。緊張していることは面接官も分かっている
次の面接までにやること:よく聞かれる質問は、最初の一文だけ口に出して覚えておく - 質問とずれた答えをした
どのくらい気にするか:くり返すと「話がかみ合わない」と見られやすい
次の面接までにやること:結論→理由→具体例の順で、1回の答えを1分以内にする練習 - 深掘りで詰まった・前の答えと食い違った
どのくらい気にするか:二次面接以降では響きやすい
次の面接までにやること:自己PR・ガクチカごとに、聞かれそうな深掘り質問を3つずつ作って答えておく - 泣きそうになった・声が震えた
どのくらい気にするか:受け答えができていれば気にしすぎなくていい
次の面接までにやること:録画で練習して、自分の話し方に慣れておく - オンライン面接で音声や映像が途切れた
どのくらい気にするか:すぐに伝えて対応できていれば気にしすぎなくていい
次の面接までにやること:前日に同じ場所・同じ機器でつないで試す。途切れた時の連絡先を手元に置く - 遅刻してしまった
どのくらい気にするか:事前に連絡できたかどうかで印象が大きく変わる
次の面接までにやること:会場までの道のりを前日に確認し、遅れそうな時は開始前に電話する
エルトさんがおすすめする練習は、録画・録音で自分の話し方を見返すこと、友達や家族に面接官役を頼むこと、基本の質問ごとに深掘り質問を3つずつ作っておくことの3つです。一次面接でよく聞かれる質問は、こちらの記事にまとめています。
結果を待つ間にやること
結果が出るまでの間は、ほかの会社の選考を止めないことが一番大事です。1社の結果を待って動きを止めると、落ちていた時に取り返すのが大変になります。
- ほかの会社の準備を進める:振り返りメモの「次はこう答える」を、次の面接で聞かれそうな質問と答えに足しておく
- お礼メールは必須ではない:送るなら当日中か翌日の午前に、3〜4行で。お礼メールの有無で合否を決める会社は多くないと言われるので、無理に送らなくて大丈夫です
- 連絡が来ない時:まず迷惑メールフォルダと、応募した会社のマイページを確認する。企業から伝えられた期限を2〜3営業日過ぎても連絡がなければ、メールで問い合わせて問題ありません。期限を言われていない場合は、1週間ほどを目安にしましょう
問い合わせのメールは、次のような短い文面で十分です。
株式会社◯◯ 人事部 ◯◯様
◯月◯日に面接を受けさせていただいた、◯◯大学の◯◯です。
面接の結果について、ご連絡の時期の目安を教えていただけますでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
もし落ちていた場合、企業によってはフィードバックをもらえることがあります。ただし、しゅんダイアリーの動画に出てくれた大手人事の3人は「メールのフィードバックは建前のことが多く、電話のほうが本音に近い」と話しています。受け取り方はこちらの記事を参考にしてください。
よくある質問
Q. 手応えがまったくなかったのに受かることはありますか?
あります。知恵袋にも「絶対に落ちたと思ったのに受かった」という体験談はたくさんあります。多くの面接官は会話の盛り上がりではなく評価のポイントで判断しているので、手応えと結果がずれるのはよくあることです。
Q. 結果の連絡が遅いのは落ちたサインですか?
そうとは限りません。応募者が多い時や、複数の面接官で評価を話し合っている時は、連絡が遅くなります。伝えられた期限を2〜3営業日過ぎても連絡がない場合(期限を言われていなければ1週間ほどたっても来ない場合)に、問い合わせてみましょう。
Q. 面接の後にお礼メールを送れば挽回できますか?
お礼メールで合否を決める会社は多くないと言われます。送るなら、面接のお礼と、話しきれなかったことを一言だけ添える程度にしましょう。それより、次の面接の準備に時間を使うほうが確実です。
Q. 落ちた理由を企業に聞いてもいいですか?
聞くこと自体は失礼ではありませんが、答えてもらえないことも多いです。理由が分からなくても、自分の振り返りメモから直すところは見つけられます。
まとめ:手応えより「何を答えたか」を振り返ろう
✔︎ 盛り上がり・面接時間・面接官の反応は、合否の目安になりにくい
✔︎ 見直すのは「質問とずれた」「深掘りで詰まった」「志望理由を言えなかった」など、自分の答えの中身
✔︎ 当日は質問と答えをメモして休む。振り返りは翌日に「同じ質問が来たらどう答えるか」で
✔︎ 面接中にずれたと気づいたら、結論を言い直す・補足する・確認するで立て直せる
✔︎ 準備不足だったら、次は前日に「最初の一文・事業1つ・逆質問1つ」だけ用意する
✔︎ 結果待ちの間も、ほかの会社の選考は止めない
一人で振り返るのが難しい人や、次の面接までに練習しておきたい人は、しゅんダイアリーの就活エージェントに相談できます。受ける企業に合わせて、本番前に模擬面接ができます。




