内定先の残業が月60〜80時間と分かった…休学して就活をやり直す?決める前に確かめたい数字と3つの道
内定,就活生の悩み・本音

内定先の残業が月60〜80時間と分かった…休学して就活をやり直す?決める前に確かめたい数字と3つの道

しゅんダイアリー編集部

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目次

はじめに|納得して決めた内定先。でも残業が月60〜80時間らしい…

「ちゃんと考えて決めた内定先だったのに、残業が月60〜80時間くらいあると分かった…」
「このまま入社して大丈夫?いっそ休学して、もう一度就活をやり直したほうがいいのかな…」
内定先が決まった後に、働き方の実態を知って迷い始めた大学4年生から、こうした悩みが届きます。

結論から言うと、休学を決める前に、まず「その残業時間の数字が本当か、誰の・いつの数字か」を確かめましょう。そのうえで「休学してやり直す」「入社して見極める」「休学せずに今から受け直す」の3つの道を比べて決めるのがおすすめです。

月60〜80時間の残業が毎月続くなら、法律が定める上限を超えるおそれがある、かなり多い水準です。迷うのは自然なことです。一方で、休学には学費や「次の就活はもう始まっている」という時間の問題もあります。数字を確かめないまま休学を決めるのも、我慢して入社するのも、どちらも後悔につながりやすい動き方です。

💡この記事の結論
・残業は法律で、原則「月45時間・年360時間」まで。特別な事情があっても、月45時間を超えられるのは年6か月までで、2〜6か月の平均は80時間以内と決められている
・聞いた「60〜80時間」が、全社の平均か、部署か、繁忙期だけか、1年目もそうかを確かめる。会社には前年度の月平均の残業時間を聞くことができる
・休学すると新卒として受け直せるが、学費がかかり、次の就活は「1つ下の学年」と同じスケジュールになる。早期選考はもう動き始めている
・休学しなくても、内定を持ったまま今から受け直す道もある
・休学するなら、次の就活の軸に「働き方の数字」を入れ、面接で休学の理由を前向きに話せるようにしておく

この記事では、月60〜80時間の残業がどれくらいの水準なのかを法律の上限で確かめ、休学を決める前に確かめたいこと、休学してやり直すメリットとデメリット、3つの道の比べ方、休学すると決めた場合の段取りと面接での話し方まで、順番に紹介します。

「この内定先で本当にいいのか」という迷い全般の考え方は、内定ブルーのときの自己分析と、就活をやり直すときの考え方で紹介しています。この記事は「残業の多さを知って、休学してやり直すか迷っている」場面に絞って書いています。


月60〜80時間の残業は、どれくらい多い?

月60〜80時間の残業は、法律が「原則の上限」としている月45時間を大きく超える水準です。毎月この時間が続くなら、法律の上限を超えるおそれがあります。

労働基準法では、残業(法定の労働時間を超えて働く時間)の上限を、原則として「月45時間・年360時間」と定めています。繁忙期など特別な事情がある場合は、労使の協定(いわゆる36協定の特別条項)を結べば上限を超えられますが、その場合も次のルールがあります。

  • 残業は年720時間以内
  • 残業と休日の労働を合わせて、1か月100時間未満
  • 残業と休日の労働を合わせて、2〜6か月のどの期間で平均しても月80時間以内
  • 月45時間を超えられるのは、1年のうち6か月まで

つまり、「毎月60〜80時間」が1年中続くなら、月45時間を超える月が6か月を超えてしまい、法律の上限を超えるおそれがあります。また、厚生労働省の労災認定の基準では、発症前の2〜6か月の平均で月80時間を超える残業は、脳や心臓の病気と仕事との関係が強いと評価される目安とされています。なお、月60時間を超えた分の残業代は、通常の5割増し以上で払うことが法律で決められています。

ただし、建設業や自動車の運転、医師、新しい技術や商品の研究開発など、一部の業種・業務には別のルールがあります。また、「60〜80時間」が繁忙期の数か月だけの話なら、法律の範囲に収まっていることもあります。

  • ✕ NGな受け止め方
    「60〜80時間なんて、もうブラック確定。すぐ辞退しよう」
    「みんな我慢してるんだから、気にしすぎ」
  • ○ OKな受け止め方
    「月45時間が原則の上限だから、確かに多い水準。でも、それが毎月なのか、繁忙期だけなのかをまず確かめよう」

やることは、「多いかどうか」の感覚ではなく、法律の上限という物差しで、聞いた数字を測り直すことです。そのために、次の章で数字の中身を確かめましょう。


休学を決める前に、その数字の中身を確かめよう

「残業60〜80時間」と聞いたら、それが「誰の・いつの・どこの」数字なのかを確かめましょう。同じ会社でも、部署や時期、年次によって残業時間は大きく変わります。

口コミサイトや社員の一言で聞いた数字は、ある部署の繁忙期の話だったり、管理職の働き方だったりすることがあります。逆に、会社が出している平均の数字は、残業の少ない部署も含めた平均なので、あなたの配属先の実態より少なく見えることもあります。

  • 確かめたいこと①:誰の数字か
    全社員の平均か、特定の部署か、あなたが配属されそうな職種か。新入社員(1年目)も同じくらい働いているか
  • 確かめたいこと②:いつの数字か
    1年中この時間なのか、決算期や繁忙期の数か月だけなのか
  • 確かめたいこと③:どこから聞いた数字か
    会社が出した数字か、口コミサイトか、社員から直接聞いたか。口コミは古い情報や一部の人の体験のこともある
  • 確かめたいこと④:会社が減らそうとしているか
    残業を減らす取り組みや、ここ数年の変化があるか

新卒を募集する会社は、若者雇用促進法という法律で、職場の情報を提供することが求められています。その中には「前年度の月平均の残業時間(所定外労働時間)の実績」などの項目があり、応募した人などから求められた場合は、決められた項目の中から情報を提供しなければならないとされています。内定者の立場でも、人事に聞いてみる価値は十分あります。

人事に聞くときは、たとえば次のようにメールで聞けます。

件名:入社後の働き方についてのご質問(◯◯大学 氏名)

株式会社◯◯
人事部 ◯◯様

お世話になっております。内定をいただいております、◯◯大学の◯◯◯◯です。
入社に向けて準備を進める中で、働き方のイメージをより具体的にしたいと考え、ご連絡いたしました。差し支えない範囲で、次の点を教えていただけますでしょうか。

・前年度の月平均の残業時間(可能であれば、新入社員が多く配属される部署の目安も)
・繁忙期と、その時期の残業時間の目安
・1年目の社員の方のおおよその働き方

お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

メールのほか、内定者懇親会や社員との面談の場で、1〜3年目の社員に「繁忙期は何時ごろに帰っていますか」と聞くのも有効です。やることは、聞いた数字を「誰の・いつの・どこの数字か」で分けて書き出し、自分が入社した場合の働き方を具体的に想像できるところまで確かめることです。


休学してやり直すと、何が変わる?メリットとデメリット

休学すると、卒業が延びるので「新卒」としてもう一度就活ができます。一方で、学費がかかり、次の就活は1つ下の学年と同じスケジュールになるので、休学を決めた時点でもう次の就活が始まっていることに注意が必要です。

休学は「時間をつくってゆっくりやり直す」イメージを持たれがちですが、実際の就活は早くから動いています。学情の調査では、大学3年生の11月末の時点で、すでに3割近く(29.3%)の学生が内々定を持っていました(ひとつ前の年度の調査)。大学4年の秋に休学を決めると、一緒に就活をするのは、ちょうどいま冬のインターンや早期選考を受けている大学3年生たちです。

  • ○ 休学してやり直すメリット
    新卒として、大手を含めた新卒採用にもう一度応募できる
    今回の就活の反省(働き方を確かめなかったなど)を活かして、企業を選び直せる
    インターンなどに時間を使える
  • ✕ 休学してやり直すデメリット
    休学中の学費(在籍料など)がかかる。金額は大学によって大きく違う
    次の就活はすぐに始まるので、「ゆっくり考える時間」はあまりない
    面接で休学の理由を聞かれることが多い
    内定先は辞退することになる
    社会人としてのスタートが遅れる(1年休学なら1年)

もう1つ大事なのは、「やり直せば、残業の少ない会社に入れる」とは限らないことです。今回、入社前に働き方の実態を確かめきれなかったのなら、次も同じことが起こりえます。休学するなら、「働き方をどう確かめるか」を身につけることが、やり直しの中身そのものになります。

やることは、自分の大学の休学の制度(申請の期限・休学中の学費・休学できる期間)を、学生課などで確かめることです。休学の申請には期限があることが多いので、早めに調べておきましょう。


「休学」だけじゃない。3つの道を比べよう

休学してやり直す・入社して見極める・内定を持ったまま受け直すの3つの道と向いている人

選べる道は「休学してやり直す」だけではありません。「入社して見極める」「休学せずに、内定を持ったまま今から受け直す」を加えた3つで比べましょう。

休学は、学費や時間のコストが大きい選択です。ほかの道でも同じ目的(働き方に納得できる会社で働く)を達成できるなら、そちらのほうが負担が少ないこともあります。

  • 道①:休学して、新卒としてやり直す
    向いている人:残業の実態を確かめた結果、どうしても入社する自分が想像できない。行きたい業界や会社がはっきりしていて、新卒でしか入りにくい会社を受けたい。休学中の学費や生活の目途が立つ
  • 道②:入社して見極め、合わなければ転職する
    向いている人:残業は多いが、仕事内容や身につくスキルには納得している。繁忙期だけの話だった、部署によって違うなど、確かめた結果が思ったより悪くなかった。入社して数年以内なら、いわゆる「第二新卒」として転職する道もある
  • 道③:休学せず、内定を持ったまま今から受け直す
    向いている人:卒業まで数か月あり、今からでも受けられる会社を探す時間と気力がある。卒業を延ばさずに、働き方に納得できる会社を探したい

道③は見落とされがちですが、大学4年の秋以降も、通年採用や追加募集で新卒を受け付けている会社はあります。内定を持ったまま受けることは問題ありません。ほかの会社に決まった時点で、内定先にはできるだけ早く、誠実に辞退を伝えましょう。

迷ったときは、次の2つの質問で考えてみてください。

  • 質問1:残業の数字を確かめたうえで、それでもこの会社で働く自分を想像できるか
    「はい」なら道②も十分ありえます。「いいえ」なら道①か道③です
  • 質問2:次の就活で、どうしても新卒でしか受けにくい会社を受けたいか
    「はい」なら道①(休学)が候補になります。「いいえ」なら、まず道③を試して、決まらなければ休学を考える順番もあります

やることは、3つの道それぞれについて「お金・時間・気持ち」の面から良い点と気になる点を書き出し、家族やキャリアセンターにも見せて相談することです。内定を辞退するかどうかの判断軸や、この時期からの再就活で見られるポイントは、こちらの記事も参考になります。


休学してやり直すなら?失敗しないための段取り

休学すると決めたら、「内定先への連絡」「休学の手続き」「次の就活の軸づくり」「面接での話し方」の4つを、順番に進めましょう。

休学を決めてから次の就活が始まるまでの時間は、思っているより短いです。後回しにすると、内定先にも迷惑がかかり、次の就活の準備も遅れます。

  • ①内定先へは、決めた時点ですぐ連絡する
    まず電話で、お詫びと辞退の意思を伝える。会社は入社に向けて準備を進めているので、連絡が遅れるほど迷惑が大きくなります
  • ②休学の手続きを、期限から逆算して進める
    申請の期限、必要な書類、保証人の署名などを確かめる。家族にも、理由と休学中の計画を先に話しておく
  • ③次の就活の軸に「働き方の数字」を入れる
    「月の残業は◯時間まで」「繁忙期でもこれくらい」など、自分が受け入れられる線を決めておく。説明会や面談で、前年度の月平均の残業時間を確かめることを習慣にする
  • ④面接で休学の理由を話せるようにする
    次の就活では、「なぜ休学したのか」を聞かれることが多いです

④の面接での話し方は、次のように考えます。

  • ✕ NGな答え方
    「内定先の残業が多すぎて、ブラックだと思ったので辞退しました」(前の会社の悪口に聞こえる)
    「なんとなく納得できなくて」(理由が伝わらない)
  • ○ OKな答え方
    前回の就活の反省を、自分の課題として話す
    休学中に何をして、何が分かったかを話す
    だからこの会社を選んだ、という志望につなげる

たとえば、次のように話せます。

あなた:前回の就活では、仕事内容への興味だけで会社を選び、入社後にどんな働き方になるかを十分に確かめていませんでした。内定後にそこに気づき、長く働き続けるためには、仕事内容と働き方の両方に納得して選ぶべきだと考え、休学してもう一度就活をすることにしました。休学中は◯◯のインターンに参加し、◯◯の仕事に向いていると感じました。御社は◯◯の仕事に若手から関われることに加えて、働き方についても説明会で具体的に教えていただき、ここで長く働きたいと考えました。

ポイントは、前の会社を悪く言わず、「自分の選び方の反省」として話すことです。そうすれば、休学は「逃げた」ではなく「考えて選び直した」経験として伝わります。


休学するか迷って決めきれないときは?

休学するか、入社するか、今から受け直すか。お金や家族のことも絡むと、ひとりで決めるのは難しいものです。そんなときは、キャリアアドバイザーに無料で相談する方法もあります。

しゅんダイアリーエージェントは、YouTubeチャンネル「しゅんダイアリー」が運営する新卒向けの就活エージェントです。記事や動画だけでは答えきれない「自分の場合はどうすればいいか」に、キャリアアドバイザーが1対1で答えます。面談はオンライン(Zoom)で、内定が出たあとの企業選びも一緒に考えます。費用はかからず、紹介された企業は断れて、いつでも利用をやめられます。


まとめ|休学は「数字を確かめてから」「3つの道を比べてから」

納得して決めた内定先の残業が月60〜80時間と分かったら、休学を決める前に、その数字の中身を確かめましょう。そのうえで、休学・入社して見極める・今から受け直すの3つの道を比べて決めるのがおすすめです。

残業の原則の上限は月45時間・年360時間で、月60〜80時間が毎月続くなら多い水準です。その数字が誰の・いつの・どこの数字なのかを確かめ、人事には前年度の月平均の残業時間を聞いてみる。休学すれば新卒としてやり直せますが、学費がかかり、次の就活はすぐに始まります。休学するなら、内定先へすぐ連絡し、次の就活の軸に働き方の数字を入れ、面接では「自分の選び方の反省」として理由を話す。この順番で考えれば、勢いで決めて後悔することは減らせます。

それでも「自分の場合はどうすればいいか分からない」というときは、ひとりで抱え込まずに、キャリアアドバイザーに今の状況を話してみてください。


内定先の残業と休学に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 残業が月60〜80時間は、違法ですか?

A. それだけで違法とは言えませんが、多い水準です。労働基準法では、残業は原則「月45時間・年360時間」までで、特別な事情があっても、月45時間を超えられるのは年6か月まで、2〜6か月の平均は月80時間以内(休日の労働を含む)などの上限があります。毎月60〜80時間が続く場合は、上限を超えるおそれがあります。一部の業種・業務には別のルールがあります。

Q2. 内定先の残業時間は、どうやって確かめればいいですか?

A. 人事に「前年度の月平均の残業時間」や繁忙期の目安を聞くのがいちばん早い方法です。新卒を募集する会社は、若者雇用促進法で、求められた場合に職場の情報を提供することが求められていて、月平均の残業時間の実績もその項目の1つです。あわせて、内定者懇親会などで1〜3年目の社員に実際の働き方を聞いてみましょう。

Q3. 休学して就活をやり直すと、新卒として受けられますか?

A. 休学して卒業が延びれば、在学中の学生として新卒の採用に応募できます。ただし、面接では休学の理由を聞かれることが多いです。前の会社の悪口ではなく、「自分の選び方の反省」と「休学中に分かったこと」を話せるよう準備しておきましょう。

Q4. 休学すると、次の就活はいつから始まりますか?

A. 1つ下の学年と同じスケジュールになります。大学3年生の冬にはインターンや早期選考が進んでいて、11月末の時点で3割近くが内々定を持っているという調査もあります。大学4年の秋に休学を決めるなら、次の就活はすでに始まっていると考えて、すぐに準備を始めましょう。

Q5. 休学しないで、今から別の会社を受けることはできますか?

A. できます。大学4年の秋以降も、通年採用や追加募集で新卒を受け付けている会社はあります。内定を持ったまま受けて問題ありません。ほかの会社に決まったら、内定先にはできるだけ早く、まず電話で誠実に辞退を伝えましょう。


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