就活はなんとか突破したけれど、いざ社会人になってみると「成果が出せない」「このままでいいのかな」と不安になる若手は少なくありません。
そこで今回は、Amazon Web Servicesで新卒採用を担当し、現在はLinkedIn Japanで採用支援を行っているまどかさんに、「伸びる新卒の共通点」と「成果を出すための仕事術」を、人事目線で教えてもらいました。
みさ
自己紹介お願いします!
まどかさん
まどかと申します。今はLinkedIn Japanで採用支援やエンプロイヤーブランディングのご支援をしています。以前は人事の業界で、新卒・中途採用を担当していて、直近ではAmazon Web Servicesで新卒採用をしていました。
みさ
ありがとうございます!今日は「若手社会人が成果を出すための仕事術」について深掘りしていきます。
トピック①:人事目線で見た「仕事ができる人」の定義
みさ
まず、そもそも「仕事ができる」「優秀」って、どういう人だと思いますか?
まどかさん
いきなり100%のアウトプットを出せる人なんていないと思っていて。私が思う“仕事ができる人”は、「吸収力がある人」「常に疑問を持って周りを観察し、課題を見つけて自分で解決しに行ける人」です。
みさ
たしかに、最初から完璧な人っていないですよね。
まどかさん
そうなんです。大事なのは、「分からないことを分からないと言える力」と、「聞く力」。新卒って、上司が忙しそうに見えたり、分からないと言うのが恥ずかしくて、聞けずに詰まっちゃうことが多いんですよね。
💡ポイント
「仕事ができる=最初から完璧」ではない。吸収力・観察力・課題発見&自走して解決する姿勢がカギ。分からないことを素直に言える“聞く力”も立派な実力。
「仕事ができる=最初から完璧」ではない。吸収力・観察力・課題発見&自走して解決する姿勢がカギ。分からないことを素直に言える“聞く力”も立派な実力。
トピック②:伸びる新卒 vs 苦戦する新卒の決定的な違い
みさ
Amazon人事時代に見てきて、「伸びる新卒」と「苦戦する新卒」の違いってどんなところにありましたか?
まどかさん
伸びる新卒は、とにかく「声を上げられる人」です。分からないことは分からないと言う、人にアプローチしてネットワークを広げる、自分のチーム以外の人にもどんどん話しかけていける。
みさ
Amazonって、他部署の人とも1on1していい文化なんですよね?
まどかさん
そうなんです。違う部署やマネージャー層に対しても自由に1on1を組んでいいんですよ。自分の枠にとらわれずアウトリーチできる人は、「自分の仕事が他部署にどう影響するか」「どんな連携が必要か」を理解しやすくて、困ったときに助けてもらえる“信頼関係”もつくりやすいです。
みさ
逆に、苦戦する新卒は?
まどかさん
分からないことを分からないと言えない、見栄や恥ずかしさから質問を飲み込んでしまう、リモートワークで人と交流せず、情報から孤立しがち。こういう人は、もらえたはずの情報やサポートを取りこぼしてしまって、後から大きくつまずくことがあります。
みさ
やっぱり出社して、社内でコミュニケーションとるの大事ですね。
まどかさん
出社推奨の会社も増えてきていますしね。オフィスに来ることで、わざわざ探しに行かなくても情報が自然と入ってきて、それが後々仕事に生きるケースはすごく多いです。
💡ポイント
伸びる新卒:声を上げる/人を巻き込む/部署を超えてネットワークをつくる。苦戦する新卒:「分かりません」が言えず、質問を飲み込んでしまう。リモートだけに頼らず、「出社での交流」も情報・信頼構築の大きなチャンス。
伸びる新卒:声を上げる/人を巻き込む/部署を超えてネットワークをつくる。苦戦する新卒:「分かりません」が言えず、質問を飲み込んでしまう。リモートだけに頼らず、「出社での交流」も情報・信頼構築の大きなチャンス。
トピック③:新卒は“ポテンシャル採用”——評価されるポイントとは?
みさ
仕事で成果を出すって、人事制度で評価されることも含めて大事だと思うんですけど、新卒はどんなところで評価されるんですか?
まどかさん
新卒には、最初から「100の成果」を求めているわけではなくて、“ポテンシャル”で見ています。採用のときに「この人はこの環境だと、こういう伸び方をしそう」という余白を見ているんですね。
みさ
実際に入社してからは、どこを見るんですか?
まどかさん
学ぶ意欲、新しいことに挑戦する意欲、失敗を恐れずやってみる姿勢、研修や業務にどれだけコミットできているか、最初の1年は特に、「どれだけ学んで、どれだけ自分から情報を取りにいったか」を見ています。
みさ
数値目標(KPI)だけで評価されるわけじゃないんですね。
まどかさん
そうです。例えばAmazonでは、どの仕事にもKPIがありましたが、そのKPIは上司と“相談しながら”決めます。「この条件だと、この数値は現実的じゃないので、こういうロジックでこの目標が妥当だと思う」と、数字の根拠を示して交渉できるのも大事な力です。
みさ
自分が評価されるための“目標設定”から一緒に作っていくイメージですね。
まどかさん
その通りです。そして、自分がどんなアプローチをしたか、どれくらい行動したかを“記録”しておくことも、自己防衛としてすごく大事です。上司は全部を見てくれているわけではないので。
💡ポイント
新卒は「結果」よりも「ポテンシャル×行動の積み重ね」で評価される。KPIは上司と相談して“ロジカルに”設定・見直しできる。行動ログを残しておくことで、「自分の頑張り」をちゃんと説明できる。
新卒は「結果」よりも「ポテンシャル×行動の積み重ね」で評価される。KPIは上司と相談して“ロジカルに”設定・見直しできる。行動ログを残しておくことで、「自分の頑張り」をちゃんと説明できる。
トピック④:成果につながる毎日の仕事術——記録&タスク管理
みさ
ここからは「どう実行するか」のノウハウを聞いていきたいです。まどかさん自身が実践していた仕事術ってありますか?
まどかさん
私、日本で最初に入った会社では“中途扱い”で、右も左も分からない状態でスタートしたんですね。その中で意識していたのは、毎日、就業時間内に「30分のまとめ時間」を入れる、朝の1時間で「昨日の振り返り」→「今日のゴール設定」をするというルーティンです。
みさ
めちゃくちゃ大事ですね…。私も新卒のときやっておけばよかった…。
まどかさん
社会人って、本当に毎日が忙しいじゃないですか。気づいたら「今日もよく分からないままバタバタして終わった」で1日が終わってしまう。それだと成長につながらないので、今日やったこと、明日やること、優先度を整理する時間を“意図的に”設定していました。
みさ
具体的にはどうやって管理していたんですか?
まどかさん
すごくシンプルなスプレッドシートです。日付、やること①②③④…、ステータス(グリーン/オレンジ/レッド)みたいな感じで、できたものはグリーン、滞っているものはオレンジ、危険なものはレッド。これを上司とも共有して、「今ここまで進んでます」「ここが危なそうです」と見える化していました。
みさ
上司とシェアするんですね!
まどかさん
はい、今でも自分のタスク管理シートは上司と共有しています。「気になったらいつでも見てください」というスタンスです。
💡ポイント
毎日「振り返り30分」と「朝のゴール設定」で、仕事を言語化・整理する。シートでタスクを見える化し、優先順位と詰まりポイントを把握。上司と共有することで、「自分の今」を正しく伝えやすくなる。
毎日「振り返り30分」と「朝のゴール設定」で、仕事を言語化・整理する。シートでタスクを見える化し、優先順位と詰まりポイントを把握。上司と共有することで、「自分の今」を正しく伝えやすくなる。
トピック⑤:スキル視点で仕事を見る&苦手の克服は「人を巻き込む」
みさ
ただ忙しいだけで終わらせないために、意識してほしいことってありますか?
まどかさん
新卒だからこそ、「スキル」を意識してほしいです。ただ“業務をこなす”のではなく、今日、自分はどんなスキルを得られたか、この仕事は、自分のどんな力につながっているかを考えるクセをつけると、モチベーションにもつながりますし、上司とキャリアの話をするときもすごく楽になります。
みさ
たしかに、自分の成長が見えると前向きになりますよね。苦手なことの克服ってどうしてますか?
まどかさん
私はいろいろ試しました。うまくいかなかったのは、「苦手なものを朝イチに持ってくる」方法。苦手だからこそ、やっぱり後回しにしちゃうんですよね。
みさ
分かります…。
まどかさん
うまくいったのは、その分野が得意な人を巻き込む、一緒にミーティングや“お勉強会”にしてしまうという方法です。例えば、人事で言うと「業務効率化のための数字周り」が苦手だったので、数字に強いオペレーションの方を呼んで、一緒に30分ミーティングを組んでいました。
みさ
ミーティングにしちゃうことで、やらざるを得ない環境をつくるわけですね。
まどかさん
そうです。これは若手だけでなく、ミドル層でも当たり前にやっていることです。システムが苦手ならシステムに強い人を呼ぶ、マーケットが分からないなら社外のプロから教えてもらう、「分からないことは、できる人を巻き込んで一緒に学ぶ」のが一番早いです。
💡ポイント
仕事は「どんなスキルを得られたか」という視点で振り返る。苦手は“根性で克服”より、「得意な人を巻き込む」ほうが現実的。ミーティング化・勉強会化して、強制力と学びを同時に手に入れる。
仕事は「どんなスキルを得られたか」という視点で振り返る。苦手は“根性で克服”より、「得意な人を巻き込む」ほうが現実的。ミーティング化・勉強会化して、強制力と学びを同時に手に入れる。
まとめ
✓仕事ができる人=最初から完璧な人ではなく、「疑問を持ち、学び、課題を自走して解決しに行く人」
✓伸びる新卒は、「声を上げる・人を巻き込む・部署や会社の壁を越えてネットワークを作る」ことで、困難なときの突破力を高めている
✓新卒は“ポテンシャル採用”。結果だけでなく、「学ぶ意欲・挑戦・行動のログ」が評価される
✓毎日の「振り返り時間」とシートでのタスク管理で、自分の仕事を言語化し、上司とも共有する
✓苦手なことは一人で抱え込まず、得意な人を巻き込んで一緒に学ぶ。頼る力=仕事力
✓仕事ができる人=最初から完璧な人ではなく、「疑問を持ち、学び、課題を自走して解決しに行く人」
✓伸びる新卒は、「声を上げる・人を巻き込む・部署や会社の壁を越えてネットワークを作る」ことで、困難なときの突破力を高めている
✓新卒は“ポテンシャル採用”。結果だけでなく、「学ぶ意欲・挑戦・行動のログ」が評価される
✓毎日の「振り返り時間」とシートでのタスク管理で、自分の仕事を言語化し、上司とも共有する
✓苦手なことは一人で抱え込まず、得意な人を巻き込んで一緒に学ぶ。頼る力=仕事力
まどかさん
一人で完璧を目指さなくて大丈夫。「分からない」と言える勇気と、人を巻き込む一歩が、若手社会人の一番の武器になります。
