「テレビ局ってブラックなんでしょ?」「キー局受かる人って、結局“選ばれた人”だけでしょ?」
就活中に一度はそんなふうに思ったこと、ありませんか。
今回は、法政大からTBSテレビに入社し、ディレクターとして活躍したのち、会社を辞めてフリーランスになった映像ディレクター・大前プジョルジョ健太さんにインタビュー。なぜTBSに入り、なぜ辞めたのか。
そして、倍率エグいキー局内定までに「どんなES・面接対策」をしていたのか。
しゅんダイアリーメンバーのとっきーが、就活生目線で聞いてきました。
とっきー
自己紹介お願いします!
大前さん
映像ディレクターの大前プジョルジョ健太と申します。法政大学を卒業後、TBSテレビに入社して約6年間働き、7年目のタイミングでフリーになりました。今はフリーで映像の仕事をしたり、各局に企画を持ち込んだりしながら生きています。
とっきー
実は私の大学の先輩で、同じゼミ出身なんです。今日は就活生・若手社会人にぶっ刺さる話をたくさん聞いていきます!
トピック①:TBS 1年目のリアル――「ブラック?」って正直どうだった?
とっきー
まず、TBSでのお仕事から。1年目って何をされてたんですか?
大前さん
1年目は情報番組のADでした。「朝チャン」みたいな朝の情報番組とか、もっと早い時間帯のニュース番組、あとは「王様のブランチ」などですね。けっこうガッツリ現場。
とっきー
やっぱりADスタートなんですね。世間的には「テレビ局=ブラック」のイメージがあると思うんですけど…実際どうでした?
大前さん
僕が働いていた感覚では「全然ブラックじゃない」です。もちろん徹夜もあるし忙しいんですけど、そのぶん昼出社だったり、自分で調整できる部分もあって。朝が苦手な僕からすると「朝起きなくていい」「スーツも着なくていい」「ヒゲもOK」という意味では、すごく合っていました。
とっきー
意外すぎる…。人間関係はどうだったんですか?
大前さん
それも運しだいだと思うんですけど、僕は本当にいい人たちに恵まれました。2018年入社だったので、社会的にも「働き方改革しよう」という流れが強くなってきた時期だったのも大きいかもしれません。
💡ポイント
「テレビ局=全部ブラック」ではない。働き方のハードさと、自分との相性はちゃんと分けて考えたほうがいい。TV業界は自由度が高いぶん、ハマる人にはめちゃくちゃ居心地が良い。
「テレビ局=全部ブラック」ではない。働き方のハードさと、自分との相性はちゃんと分けて考えたほうがいい。TV業界は自由度が高いぶん、ハマる人にはめちゃくちゃ居心地が良い。
トピック②:1年目からディレクターに――「コピーでお金もらえるの幸せ」マインド
とっきー
ディレクターになったのって、何年目くらいなんですか?
大前さん
1年目からです。もちろんADと兼任で、4年目までADも続けていましたが、かなり早いタイミングでディレクターの業務も任せてもらえるようになりました。
とっきー
1年目ディレクターってすごくないですか? やりたいこととギャップなかったですか?
大前さん
もちろん「コピー取り」みたいな雑務も多いんですけど、僕は「コピーやってお金もらえるってありがたくない?」って思うタイプなんです。「コピーをやりたくて入ったわけじゃない」とガッカリするか、「コピーで給料もらえるなんて最高」と思えるか。このマインドの差が大きい気がします。
💡ポイント
「やりたいこと“だけ”ができる仕事」はほぼ存在しない。雑務を「修行」と捉えられる人のほうがチャンスをつかみやすい。仕事の捉え方次第で、同じ環境でもストレス量が変わる
「やりたいこと“だけ”ができる仕事」はほぼ存在しない。雑務を「修行」と捉えられる人のほうがチャンスをつかみやすい。仕事の捉え方次第で、同じ環境でもストレス量が変わる
トピック③:なぜTBSを辞めたのか――“会社を辞めるドキュメンタリー”という無茶な企画
とっきー
そこから、なんでTBSを辞めることになったんですか?
大前さん
端的に言うと、「自分が会社を辞めるドキュメンタリーを撮ろうとしたから」です。「自分が会社を辞める様子をドキュメンタリーにする」という企画を出したら、上司から「いいね」と。
とっきー
そこまでは順調っぽいのに…?
大前さん
ところが、人事に退職の相談をする場面まで撮り始めたら、「そのシーンは撮るな」と言われて。その時点で、退職届を書くシーンまで撮っちゃってるし、先輩にも「辞めるつもり」と相談していて、後戻りするのがすごく恥ずかしくなってしまって、結果として、ドキュメンタリーはきちんと完成しなかったけど、「一度辞めてみる」という決断だけが残ってしまった、という感じです。
💡ポイント
挑戦的な企画が、思わぬキャリアの転機になることもある。「やってみたい気持ち」に正直になると、予定通りにはいかないけど、面白い展開は起こりやすい。会社を辞めるか迷うとき、「一度やってみる」が選択になることもある
挑戦的な企画が、思わぬキャリアの転機になることもある。「やってみたい気持ち」に正直になると、予定通りにはいかないけど、面白い展開は起こりやすい。会社を辞めるか迷うとき、「一度やってみる」が選択になることもある
トピック④:年収3分の1&借金7,000万円――それでも「人生、まぁ楽しい」
とっきー
フリーになって、正直お金の面はどうなったんですか?
大前さん
年収はガクッと下がって、体感3分の1くらいになりました。TBS時代は、若手にしてはかなり良い給料をいただいていたので。
とっきー
え、7,000万!? それはどういう…?
大前さん
1年目の忙しい時期に不動産投資の電話がかかってきて、だんだん押し切られてしまって。ハンコを押したら、その担当者とは連絡がつかなくなり(笑)、残ったのは7,000万円のローンだけ。投資もあまりうまくいっておらず、毎年100万円くらいは返済し続けなきゃいけない状況です。
とっきー
かなり崖っぷちじゃないですか…?
大前さん
正直、そこそこ追い込まれてはいます。でも、そのおかげで「これだけは守らないと詰む」という“幸福の最低ライン”がはっきりしたとも言えます。今の僕の最低ラインは、「借金の返済ができること」。これさえクリアできれば、とりあえずは幸せなんですよ。
💡ポイント
大きな失敗や借金は、メンタル的にはかなりキツい。その一方で、「ここを割ったらまずい」というラインが明確になる。最低ラインを決めておくと、「それ以外はなんとかなる」と前に進みやすくなる。
大きな失敗や借金は、メンタル的にはかなりキツい。その一方で、「ここを割ったらまずい」というラインが明確になる。最低ラインを決めておくと、「それ以外はなんとかなる」と前に進みやすくなる。
トピック⑤:キー局内定のES戦略――「ストーリーとして面白いか」を最優先
とっきー
ここからは就活の話を。そもそも、なんでテレビ局を目指したんですか?
大前さん
同じゼミの女の子が「アナウンサーになりたい」と言っていて、その子が映像系のゼミを選んだんですね。僕もそれを追いかけて映像ゼミに入りました。恋は全然実らなかったんですけど(笑)、そこで映像の面白さに目覚めて、テレビも買って研究するようになって、気づいたら「テレビ局に入りたい」と本気で思うようになっていました。
とっきー
じゃあ、ESはどう書いていたんですか?
大前さん
一番意識していたのは 「視覚」と「ストーリー」 です。色を使って、一目で見やすいレイアウトにする。最初に「自分を一言で表すキャッチコピー」を大きく書く。自分という人間を構成する要素を“目次”のように整理する
とっきー
一般的な「論理的にまとめましょう」系のESとは、ちょっと違いますよね。
大前さん
もちろんロジカルさも必要なんですけど、「人が読む」って考えたら、物語として面白いほうが絶対良いと思うんです。課題・行動・結果は、ストーリーを丁寧に書けば自然と浮かび上がってくるので。
💡ポイント
ESは「論文」ではなく「読まれるストーリー」として設計する。キャッチコピー+目次構成で、自分を“ひと目で”理解してもらう。ちょっと変なエピソードも、起承転結に落とし込めば強い武器になる
ESは「論文」ではなく「読まれるストーリー」として設計する。キャッチコピー+目次構成で、自分を“ひと目で”理解してもらう。ちょっと変なエピソードも、起承転結に落とし込めば強い武器になる
トピック⑥:面接で“仕掛け”を用意する――「5個くらいはネタを仕込んでいく」
とっきー
面接で、人より目立つために意識していたことってありますか?
大前さん
常に 「仕掛けを5個くらい用意しておく」 って決めていました。髪型でもいいし、持ち物でもいいし、「何か聞かれたら面白く広げられるネタ」をいくつか用意しておくイメージです。
💡ポイント
面接には「振られたら一気に広げられる仕掛け」を複数持ち込む。その場のアドリブに頼らず、ネタの“台本”を事前に準備しておく。仕掛けがあると、面接官に「この人、ちゃんと準備してきたな」と伝わりやすい。
面接には「振られたら一気に広げられる仕掛け」を複数持ち込む。その場のアドリブに頼らず、ネタの“台本”を事前に準備しておく。仕掛けがあると、面接官に「この人、ちゃんと準備してきたな」と伝わりやすい。
トピック⑦:キャリアに迷ったときに大事にしている「幸福の最低ライン」
とっきー
今かなり変わったキャリアを歩まれていると思うんですが、キャリアに迷ったときに大事にしている“軸”はありますか?
大前さん
はっきり言えるのは、自分の“幸福の最低ライン”を決めておくことです。今の僕の場合、その最低ラインは「借金の返済ができること」と「貯金200万円を割らないこと」。ここを割ると、さすがに人生が詰む可能性があるので…逆に言えば、そのラインさえ守れていれば、仕事はけっこう自由に選べる。
とっきー
若いうちにやっておくべき経験って、何だと思いますか?
大前さん
いい意味で「自分の最低ラインを少しずつ更新していくこと」かなと思います。ちょっと無茶な経験をすると、「あ、これでも意外と生きていけるんだ」と分かって、メンタルの耐久力が上がっていきます。
💡ポイント
「これを割ったら本当にマズい」というラインを、自分で決めておく。それ以外の部分は、ある程度“失敗してもOK”と割り切る。最低ラインは、年齢やライフイベントに合わせて柔軟にアップデートすればいい
「これを割ったら本当にマズい」というラインを、自分で決めておく。それ以外の部分は、ある程度“失敗してもOK”と割り切る。最低ラインは、年齢やライフイベントに合わせて柔軟にアップデートすればいい
まとめ
✓テレビ局=全部ブラック、とは限らない。自分との相性で見てみよう
✓雑務や大変な仕事を「コピーでお金もらえてラッキー」くらいに捉えられると強い
✓挑戦的な企画や無茶なチャレンジは、キャリアの大きな転機になることがある
✓ESは「ストーリーとしておもしろいか」「一言キャッチで自分が伝わるか」を意識
✓面接には、振られたら語れる“仕掛け”を複数持ち込む✓キャリアに迷ったら、「自分の幸福の最低ライン」を先に決める
✓テレビ局=全部ブラック、とは限らない。自分との相性で見てみよう
✓雑務や大変な仕事を「コピーでお金もらえてラッキー」くらいに捉えられると強い
✓挑戦的な企画や無茶なチャレンジは、キャリアの大きな転機になることがある
✓ESは「ストーリーとしておもしろいか」「一言キャッチで自分が伝わるか」を意識
✓面接には、振られたら語れる“仕掛け”を複数持ち込む✓キャリアに迷ったら、「自分の幸福の最低ライン」を先に決める
大前さん
会社に入ってからもうまくいかないことのほうが多いし、僕みたいに借金したり、会社を辞めたり、いろいろやらかす人もいます。それでも、最低限だけ守りながら「やってみたい」を選んでいけば、恥の多い人生でも案外楽しく生きていけます。
