26卒のガクチカ対決で3人の発表を聞いた岡本さんが、良かった点と「ここを直すと一気に強くなる」というポイントをフィードバックしてくれています。具体的な言い回しや構成までそのままマネできる内容なので、自分のガクチカを作り直すときの型にしてみてください。
就活YouTubeチャンネル「ひろさんチャンネル」を運営。人材系での採用・キャリア支援の経験が長く、就活生のES・ガクチカを数多く見てきた面接官目線でフィードバックしている。
成果は“率”だけでなく、素人にも伝わる形にする
集客率やCTRをどう言い換えると伝わりやすい?
岡本さん:いおりさんのエピソードは、「転職エージェントの長期インターンで求人広告の運用をして、集客目標を達成した」という点がまずとても良かったです。仕事の文脈の中で成果を出していますし、「集客70%→100%」「CTR2.5%→4.1%」と数値も出せているので、面接官側も活躍イメージを持ちやすいです。
岡本さん:そのうえで、もっと良くするなら“プロ用の言葉を、素人にもわかるように言い換える”ことが大事です。例えば「CTR」と言われてピンと来る学生は少ないので、「求人広告を見た人のうち、実際に求人詳細をクリックしてくれた人の割合」と説明してあげた方が、文系だろうが他業界志望だろうがついてこられます。
岡本さん:「集客率70%」という表現も、目標との関係性を補うと一気に伝わりやすくなります。「月300人応募させたいところが210人しか集まっていなかったので、それを300人まで持っていく必要があった」というように、母数とゴールをセットで出すと、何が課題でどれくらいのギャップがあったのかがイメージできます。
岡本さん:最後に、“なぜ数を増やすのではなく率を上げる選択をしたのか”も一言触れられるとロジックが締まります。追加で求人を出すのは掲載費用がかかるので、お金を増やさず成果を上げるために「出している広告の当たり率を上げる」方を選んだ、と言えれば、選択の合理性まで伝わるガクチカになります。
数字自体は良いのですが、「CTR」「集客率」などの専門用語は、そのまま出すと面接官以外の人に伝わりづらくなります。 「誰でもイメージできる日本語への言い換え」「目標と実績の関係」「なぜその打ち手を選んだのか」という3点をセットで話すと、ビジネスの当たり前を理解していることと、考えて動いた過程まで伝わるガクチカになります。
“部分的な頑張り”より“長期間やり切った経験”を選ぶ
学祭の1エピソードと2年続けたバイトならどちらをガクチカにすべき?
岡本さん:ひかりさんの学祭エピソードは、「のど自慢大会で音響が合わないという課題を、責任者との対話と後輩育成で解決した」という内容自体はすごく良かったです。
岡本さん:ただ、“学生時代で一番頑張ったこと”という問いに対しては、期間の短さが少し気になりました。学祭の中の、さらに1企画の1シーンなので、「大学3年間、何に一番時間とエネルギーを使ってきたか」と言われると、もう少し長いスパンの方が説得力が出やすいです。
岡本さん:実はコンビニバイトを2年以上続けていると聞いたときに、「それをガクチカにした方が絶対に強い」と感じました。アルバイトは“仕事”なので、企業側も「仕事場でどう振る舞う人か」をイメージしやすいですし、長期間続いているだけで「継続力」「責任感」が自然と伝わります。
学祭の“1日の頑張り”も立派ですが、ガクチカでは「どれくらいの期間・時間、どれくらいの負荷の中で継続してきたか」を評価されます。長く続けているバイトやサークルの方が、期間・仕事感・関わる人の数が大きくなりやすいので、「迷ったら長期でやり切った方」を選び、その中での工夫や成果を深掘りするのがおすすめです。
桁違いの量・責任を“ちゃんとヤバさが伝わる形”で話す
インターンで6倍の生産性を出したガクチカはどう見える?
岡本さん:ももさんのガクチカは、数字だけ見ると本当にエグいです。前年は4人で月10本の動画投稿だったのに、今年は社員1人+ももさん1人の2人で月30本。単純計算で、2人なら5本で良いところを30本なので、生産性6倍です。しかも今はディレクターに加えてMCとしても動画に出ていて、「企画・台本・撮影調整・編集ディレクション・出演」を全部担っているわけですよね。
岡本さん:このレベルだと、もはや「学生のインターン」ではなく「ほぼ正社員」です。だからこそ、そこまでのヤバさが伝わる話し方をした方がもったいなくありません。例えば、①週7(就活では週7でOK)・1日7時間レベルでコミットしていること、②本来社員がやるクラスの仕事(キャスティング・企画の決定・アカウントパワーの設計)も任されていること、③自分が出演もすることでキャスティングの手間を減らしつつ、出演者を安心させ、撮影現場を回していること、などです。
岡本さん:また、「自分が出演しているからこそできる効率化」も立派な工夫です。企画意図を一番理解している自分が前に立つことで、撮影でのやり直しが減る、編集者に渡す素材の質が上がる、キャラクターやトーンの方針を自分で決められる、など、生産性6倍の裏付けになるストーリーがたくさん出てきます。そういう“裏側の工夫”を入れてあげると、「量も質も上げている人材」として評価されやすくなります。
「数字がすごい」のは前提として、面接官は「なぜその数字が出たのか」「どれだけの負荷の中でそれを回していたのか」を知りたいと思っています。週何日・何時間、どんな役割まで任されているか、どこを工夫して生産性を上げたかを具体的に入れることで、「この子ならうちでも同じようにやり切ってくれる」と再現性まで感じさせられるガクチカになります。
ガクチカは“成果→逆算で行動を並べる”のが最短ルート
エピソード選定から話の組み立てはどう進めればいい?
岡本さん:ガクチカを作るときは、いきなり細かい行動から組み立てない方がうまくいきます。最初にやるのはエピソード選定で、「学生時代に長く時間をかけたもの」「仕事や責任を伴うもの」「成果がわかりやすいもの」の3条件を満たしているかを見ながら、候補を1つに絞るのがスタートです。
岡本さん:エピソードが決まったら、成果→行動を逆算で洗い出します。「最終的にこういう結果になった」から、「そのために何をしていたか」を上流から分解していくイメージです。いきなり「頑張りました・工夫しました」だけを書くと一貫性がなくなりがちですが、成果を起点にすると「その結果を生むために必要な行動だけ」が自然と残っていきます。
岡本さん:話す順番としては、「①一言サマリー(何の活動か)→②成果→③その成果の前提となる状況・課題→④成果につながった具体的な行動(2〜3個)→⑤そこで得た学び・強み」という流れにしておくと、面接官も深掘りしやすく、「他に聞くことがないから適当に終わる」というパターンを減らせます。
ガクチカは“すごいエピソードを探す”より、“今あるエピソードを成果から逆算して整理し直す”方が速くて強くなります。期間・責任・成果でエピソードを選び、その成果に必要な行動だけを抽出して並べると、自然と「一貫性のある、深掘りに耐えられる」形になっていきます。
最初に全部話さず、“聞きたくなるところ”を残す
ガクチカを最初に問われたとき、どこまで話せばいい?
岡本さん:ガクチカを話すとき、多くの就活生が一度に全部を説明しようとして、3分以上話し続けてしまいます。ですが、最初の回答は“あらすじ+フック”くらいにとどめておいた方が、面接官は深掘りしやすいですし、自分も後半で挽回する余地を残せます。
岡本さん:ももさんのケースなら、「4人で月10本→2人で30本という体制に変わり、生産性6倍を求められた」「最初は到底無理だと思う状況だったけれど、2つの工夫で乗り切った」というところまでを短く話し、「2つの工夫」の中身はあえて言わずに止めるイメージです。そうすると、ほぼ確実に「その2つって何?」と聞いてもらえます。
岡本さん:大事なのは、“深掘りしてもらえるようなサマリーの作り方”です。「数字のインパクト」「大変さ」「自分なりに工夫したポイントがある」という3点を最初にチラ見せしておけば、面接官も「ここを詳しく聞けば、その人の考え方や行動の癖が見える」と感じて、自然と掘り下げの質問をしてくれるようになります。
最初のガクチカ回答で“全部語り切る”必要はありません。むしろ、「概要+数字+大きな工夫だけ」をコンパクトに出しておき、「その工夫は具体的に?」「一番苦しかった場面は?」と聞かれたところでディテールを解禁する方が、自分のペースで話を進めやすくなります。
まとめ
CTRなどの専門用語はそのまま出さず、目標と結果の関係・コストや選択の理由まで日本語にして伝えることで、数値の裏にある思考力もアピールできます。
コンビニバイトのような一見“普通”なエピソードでも、期間・工夫・周囲の評価まで具体的に話せば、学祭の部分的な頑張りよりも説得力のあるガクチカになります。
また、6倍の生産性や週7・1日7時間のインターンのように “量と責任の大きさ” をそのままにせず、「なぜそれができたのか」「どこを工夫したのか」までセットで話すことで、「うちでも再現できそうだ」と感じてもらえるガクチカに変わります。
最後に、エピソードは成果から逆算して行動を整理し、最初の回答ではあえて“聞きたくなる部分”を残しておくことで、深掘りの場面で自分の良さを最大限出せる構成にしていくと、本選考でも戦えるガクチカになっていきます。
