不動産業界って「街づくり」「都市開発」みたいなキラキラワードは思いつくけど、
じゃあ“なんで自分がそこまでやりたいの?”と聞かれると詰まってしまう人、多いですよね。
今回は、実際に住友不動産・大成建設などの選考を通過した24卒の先輩たちの面接をもとに、
就活ライター・トイアンナさんと一緒に「不動産・建設で受かる志望動機の作り方」を整理していきます。
すず
どうもこんにちは、しゅんダイアリーメンバーのすずです。
トイさん
私はトイアンナと申しまして、就活の本を出したり、就活塾で面接対策の講師をしています。「確実内定ゼミ」などもやっているので、よかったら参考にしてみてください。
トピック①:不動産業界で「受かる人」の共通点は?
すず
さっそくなんですけど、不動産業界全体として「こういう人が受かりやすい」みたいな傾向ってありますか?
トイさん
不動産業界って、学生から見ると志望動機が言いづらい業界ランキングのトップに入ると思います。だからみんな主語が大きくなるんですよ。「街の未来を」「都市開発の夢を」「住民が幸せを感じる土地づくりを」みたいなことを言いだして、「なんで?」って深掘りされると崩壊する。
すず
確かに、よく聞くフレーズですね…。
トイさん
なので「そう思うようになった自分の経験」までセットで語れるかどうかが勝負です。人柄でいうと、会社によって社風がかなり違うので、逆にどんなタイプの学生でもマッチする会社はあります。
💡ポイント
不動産業界は「街づくり」「人々の暮らしを豊かに」といったキレイな言葉だけだとすぐ崩される業界です。だからこそ、「なぜそこまで情熱を持てるのか」を説明できる自分の個人的な経験が必須になります。また、デベロッパーと建設では仕事の中身や関わる人がかなり違うので、業界内の違いを理解したうえで、自分がどこに向いているかを話せると強いです。社風も企業ごとにかなり違うので、「総当たり」のつもりで受けつつ、自分の経験と相性が良さそうな会社を選んでいくイメージで考えるのがコツです。
不動産業界は「街づくり」「人々の暮らしを豊かに」といったキレイな言葉だけだとすぐ崩される業界です。だからこそ、「なぜそこまで情熱を持てるのか」を説明できる自分の個人的な経験が必須になります。また、デベロッパーと建設では仕事の中身や関わる人がかなり違うので、業界内の違いを理解したうえで、自分がどこに向いているかを話せると強いです。社風も企業ごとにかなり違うので、「総当たり」のつもりで受けつつ、自分の経験と相性が良さそうな会社を選んでいくイメージで考えるのがコツです。
トピック②:住友不動産の先輩Aさん:なぜ自己紹介だけで「調べてるな」と思わせられたのか
すず
ではまず、住友不動産株式会社の選考に実際に通過した24卒のAさんの面接を見ていきます。自己紹介からお願いいたします。
A
はい、立命館大学のAと申します。私は小学4年生から高校3年生までの9年間、野球を続けてきました。幼い頃から大切にしている言葉は、王貞治さんの「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない」でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
すず
自己紹介で「好きな言葉」言うパターン、初めて見ました。
トイさん
ですよね。まずそれ自体が目立つし、「王貞治持ってくるんだ」というセンスを感じます。面接官ってAさんよりかなり上の世代が多いので、あえて世代が刺さりそうな人を選んでいる感じがしますね。
すず
たしかに、面接官に刺さりそう…。
トイさん
住友不動産さんって、もともと才能よりも努力を重視するカルチャーがある会社なんです。「みんなで頑張っていい建物をつくる」という信念が強い。そこにこの格言を持ってくるのは、いい意味で「当てにいっている」。よく調べたなという印象ですね。
すず
ちなみに、今の内定状況もかなりすごかったですよね。
A
はい、現在内定をいただいているのは、みずほ銀行さん、三菱UFJモルガン・スタンレー証券さん、NTT西日本さんの3社になります。
トイさん
こういう学生から人気の高い企業の内定を「手土産」として持っていると、面接官は「そこで就活やめなかったの?」「本当にうち来たいの?」といい意味でテンション上がるんですよね。ただし、これを見ている就活生のみなさんは「手土産がないと受からないのか」とは思わなくて大丈夫。
💡ポイント
Aさんの自己紹介は、①長年続けた野球で「努力型」の人柄を示し②会社のカルチャーに合う王貞治の格言をあえて選び③面接官世代にも刺さるワードで距離を縮めている、という3点が噛み合っているのがポイントです。また、人気企業からの内定を話すことで、「それでも御社に来たい」という本気度を印象づけています。ただしこれは“あったら強い武器”であって、必須条件ではないので安心してください。大事なのは、「自分なら何を“手土産”として語れるか(経験・実績・学びなど)」を整理しておくことです。
Aさんの自己紹介は、①長年続けた野球で「努力型」の人柄を示し②会社のカルチャーに合う王貞治の格言をあえて選び③面接官世代にも刺さるワードで距離を縮めている、という3点が噛み合っているのがポイントです。また、人気企業からの内定を話すことで、「それでも御社に来たい」という本気度を印象づけています。ただしこれは“あったら強い武器”であって、必須条件ではないので安心してください。大事なのは、「自分なら何を“手土産”として語れるか(経験・実績・学びなど)」を整理しておくことです。
トピック③:「人々の生活を豊かにしたい」で終わらせない志望動機のつくり方
すず
続いて、Aさんのデベロッパー志望理由を聞いていきます。なぜデベロッパーを志望されているんですか?
A
私がデベロッパーを志望している理由は、人々の生活を豊かにして、幸せを提供したいという思いがあるからです。これまでの人生を振り返ると、塾のアルバイトや友達の相談に乗る経験など、自分の行動で誰かに貢献できたり、喜んでもらえたりすることに強いやりがいを感じてきました。その中でも、小さい頃に友達や親と行ったゲームセンターや、初めての彼女と行った映画館など、楽しかった思い出はいつも「場所」や「空間」とセットだなと感じていて、そのような場所を提供することで人々の生活を豊かにしたいと考え、デベロッパーを志望しています。
トイさん
まず悪いところからいきましょうか。「人々の生活を豊かにして幸せを提供したい」って、多分100人中100人が一度は言うワードなんですよ。ここだけだとテンプレです。でも後半の「場所や空間と一緒に成長してきた」「思い出は場所とセットだった」という話は、実はかなりレア。
すず
どうレアなんですか?
トイさん
最近は「どこに行ったか」より「誰とどんな体験をしたか」が大事と言われていて、若い世代ほど“場所はどうでもいい派”が多いんです。そんな中で、「場所が記憶に残るタイプ」の価値観をちゃんと語れる学生ってあまりいない。だからこそ、「人々の生活を豊かにしたい」というフワッとした言葉を、自分の思い出レベルまで下ろして話せたのはかなり強いですね。
💡ポイント
「人々の生活を豊かにしたい」「幸せを届けたい」だけだと、誰でも言える“キレイごと”で終わってしまいます。そこから一歩踏み込んで、Aさんは自分がやりがいを感じてきたのは「誰かに喜んでもらえた瞬間」だと整理し、その喜びの多くが「場所・空間」とセットの思い出だったというところまで掘り下げています。自分の価値観が「いつ・どんな経験から生まれたか」まで具体化することで、同じフレーズでも一気にオリジナルな志望動機になります。
「人々の生活を豊かにしたい」「幸せを届けたい」だけだと、誰でも言える“キレイごと”で終わってしまいます。そこから一歩踏み込んで、Aさんは自分がやりがいを感じてきたのは「誰かに喜んでもらえた瞬間」だと整理し、その喜びの多くが「場所・空間」とセットの思い出だったというところまで掘り下げています。自分の価値観が「いつ・どんな経験から生まれたか」まで具体化することで、同じフレーズでも一気にオリジナルな志望動機になります。
トピック④:「なぜこの会社?」を語るときに効く“知見者”という視点
すず
デベロッパーって他にもたくさん会社があると思うんですが、その中でもなぜ住友不動産なんでしょうか?
A
御社を志望している理由は、御社の環境で一番働きたいと思ったからです。私は街づくりにおいて、来る人や住む人だけでなく、地権者の方々の存在が非常に大切だと考えています。御社は、土地の取りまとめから地権者の方々の思いやニーズに応え、それを形にして街づくりをしてこられた点に大きな魅力を感じました。また、若手のうちから多くの経験ができ、年次に関係なく実力で評価していただける環境にも惹かれ、心から御社で働きたいと思い志望しております。
トイさん
ここ、めちゃくちゃ良かったです。まず一つ目は、「街づくりの基礎は、来る人・住む人だけでなく地権者の説得が超重要」という事実をちゃんと入れているところ。不動産をよく知らない学生だと、「未来の住民をどうデザインするか」「かっこいい都市づくり」みたいな話だけしがちなんですが、現実は「まず地主さん全員説得しないとビル建たない」ですからね。
すず
そこを分かってるだけで、一気に“知ってる感”出ますね。
トイさん
そうなんです。二つ目は、住友不動産ならではの特徴をちゃんと押さえているところ。「若手から経験できる」「年次関係なく実力評価」というのは、実は大手デベロッパーだとあまりない文化。年功序列で、会社の看板を得て一生暮らす“貴族階級”っぽいところもあるので、そことの差別化としてすごくうまい志望理由になっています。
💡ポイント
Aさんの「なぜ御社か」は、業界全体のリアル(街づくり=地権者の説得が超重要)を理解している。そのうえで、住友不動産ならではの強み(若手から経験・実力評価)を押さえているという2段構えになっています。「御社の○○という制度に惹かれました」とパンフレット読み上げで終わるのではなく、業界構造の理解×その会社ならではの違いまで語れると、一気に志望動機の説得力が増します。
Aさんの「なぜ御社か」は、業界全体のリアル(街づくり=地権者の説得が超重要)を理解している。そのうえで、住友不動産ならではの強み(若手から経験・実力評価)を押さえているという2段構えになっています。「御社の○○という制度に惹かれました」とパンフレット読み上げで終わるのではなく、業界構造の理解×その会社ならではの違いまで語れると、一気に志望動機の説得力が増します。
トピック⑤:「好きな物件」を聞かれたときに差がつくポイント
すず
Aさんが住友不動産の中で好きな物件ってありますか?
A
はい。私が一番好きな物件は、大阪・梅田にあるホテル ヴィラフォンテーヌです。昨年の12月25日に彼女と宿泊したのですが、梅田の街の中心にありながら、ロビーでは外国人観光客や日本人など、さまざまなバックグラウンドの方が一緒に過ごしていました。中に入ると食卓には和食が並び、目の前には苔の装飾、部屋も木目調で、日本らしさをしっかり感じられる空間になっていて、多様な人が集まる中でも「日本」を感じられる場をつくっているところに魅力を感じました。
トイさん
まず前提として、不動産業界では「好きな物件はどこですか?」はほぼ確実に聞かれます。そこで他社物件を挙げると、テレビ局で「好きな番組は?」と聞かれて他局の番組を答えるくらいアウトです。そのうえでAさんが評価されるのは、「知ってます」で終わらせず、実際に行って、使って、どう感じたかまで語れているところですね。
すず
たしかに、体験ベースで語れているのは強いですね。
トイさん
そうですね。ただ、まだ5分も話してないのに「彼女」が2回も出てきたので、会社によっては「ちょっとチャラい?」と思われる可能性もあります(笑)。でも住友不動産のように若手の成長を重視する会社なら、人間味としてポジティブに受け取られやすいと思います。
💡ポイント
「好きな物件は?」と聞かれたら、必ずその会社の物件から選ぶ。「知っている」だけでなく「実際に行った」「こう感じた」まで話す、この2つが基本です。Aさんは、彼女と泊まったエピソードを通じて、ホテルの空間設計が「多様な人が集まりながらも日本らしさを感じられる場になっている」と説明できていました。物件の“機能”だけでなく、「そこにどんな人が、どんな時間を過ごしているのか」まで語れると、物件への理解と視点の深さを伝えられます。
「好きな物件は?」と聞かれたら、必ずその会社の物件から選ぶ。「知っている」だけでなく「実際に行った」「こう感じた」まで話す、この2つが基本です。Aさんは、彼女と泊まったエピソードを通じて、ホテルの空間設計が「多様な人が集まりながらも日本らしさを感じられる場になっている」と説明できていました。物件の“機能”だけでなく、「そこにどんな人が、どんな時間を過ごしているのか」まで語れると、物件への理解と視点の深さを伝えられます。
トピック⑥:大成建設の山田さん:専攻と志望理由が一撃でつながるパターン
すず
続いて、大成建設さんの選考に通過した山田さんの面接を見ていきます。自己紹介からお願いします。
山
山田さん
横浜市立大学国際教養学部4年の山田と申します。大学では都市防災を専攻しており、研究テーマは自治会の自主防災活動です。具体的には、避難訓練や救助訓練に、いかに若者を参加させていくかについて研究しています。課外活動では、体育会卓球部と学習塾でのアルバイトに力を入れてきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
すず
都市防災って、そもそもどうして専攻しようと思ったんですか?
山
山田さん
一番のきっかけは、東日本大震災について講義で詳しく学んだことです。多くの人の命や財産を奪っただけでなく、その後も何年にもわたって被害を残し続けていることを知り、こうした被害を二度と起こさない、少しでも減らせるようにしたいと感じました。そこから都市防災の勉強を進めたいと思うようになりました。
トイさん
さっきのAさんを見たあとだと余計に思うんですけど、めちゃくちゃ話が分かりやすいですね。「都市防災を専攻している」という一言で、なぜ大成建設のようなゼネコンを受けているのかが一発で説明できてしまう。これはかなり強いです。
すず
専攻と業界がここまできれいにつながると、説得力ありますね。
トイさん
もちろん、学部と業界が一致している必要はないんですけど、もし近い領域をやっているなら、「何をきっかけに、何を学んでいるか」をちゃんと語る価値は大きいです。
すず
山田さんが建設業を志望する理由を教えてください。
山
山田さん
私が建設業を志望する理由は2つあります。1つ目は、自身の仕事を通して、多くの人の生活基盤を長く支え続けられるものづくりに携わりたいと考えたからです。そのきっかけは、アルバイト先で電話対応マニュアルを作成した経験です。2年次に作ったそのマニュアルが、今でも全職員の電話業務の根幹を支え続けていると知り、大きな達成感を覚えました。この経験から、将来も自分が携わったものが人々の生活基盤を長く支え続けてほしいと考え、建設業を志望しました。2つ目は、人々を災害の危険から守り、安全な生活を提供したいと考えたからです。ゼネコンであれば、地震や大型台風などの大規模災害から人々を守るために、安心・安全な建物はもちろん、橋梁や水道管といったインフラも整備できます。そうしたゼネコンの特徴を生かして、より強靭な社会をつくり上げていきたいと考えています。
トイさん
これは満点の志望理由ですね。アルバイトで作ったマニュアルという、めちゃくちゃ身近な経験から、「長く残る仕事」→「生活基盤」→「建設業」ときれいにつながっている。さらに、都市防災の専攻と「災害から守りたい」という思いもつながっていて、実体験と志望理由ががっちり結びついている良い例だと思います。
💡ポイント
山田さんの志望理由は、アルバイトで作ったマニュアルが「今も職場の基盤を支えている」経験から、「長く残るものをつくりたい」という軸を出し、都市防災の学びと、「災害から人を守りたい」という思いを建設業の役割(建物+インフラ整備)に落とし込んでいます。大事なのは、「アルバイト」「専攻」といった身近な経験を、自分なりの価値観 → 業界・職種の特徴へと橋渡しすること。専攻が直接関係なくても、「その経験から何を考えるようになったか」まで整理すれば、同じレベルの説得力はつくれます。
山田さんの志望理由は、アルバイトで作ったマニュアルが「今も職場の基盤を支えている」経験から、「長く残るものをつくりたい」という軸を出し、都市防災の学びと、「災害から人を守りたい」という思いを建設業の役割(建物+インフラ整備)に落とし込んでいます。大事なのは、「アルバイト」「専攻」といった身近な経験を、自分なりの価値観 → 業界・職種の特徴へと橋渡しすること。専攻が直接関係なくても、「その経験から何を考えるようになったか」まで整理すれば、同じレベルの説得力はつくれます。
まとめ
✓不動産業界は「街づくり」「生活を豊かにしたい」だけだと埋もれる。自分の経験レベルまで落とし込むことが必須。
✓「なぜこの会社か」を語るときは、業界構造の理解×その会社ならではの違いの二段構えにすると強い。
✓「好きな物件」は必ず自社物件+実際に行ったエピソードで語ると、理解度と熱量が伝わる。
✓アルバイトや専攻など身近な経験も、自分の価値観 → 業界・職種の役割につなげれば、立派な志望理由の材料になる。
✓専攻と業界が近い人はもちろん、違う人でも「何をきっかけに、何を大事にしてきたか」を言語化すると一気に説得力が増す。
✓不動産業界は「街づくり」「生活を豊かにしたい」だけだと埋もれる。自分の経験レベルまで落とし込むことが必須。
✓「なぜこの会社か」を語るときは、業界構造の理解×その会社ならではの違いの二段構えにすると強い。
✓「好きな物件」は必ず自社物件+実際に行ったエピソードで語ると、理解度と熱量が伝わる。
✓アルバイトや専攻など身近な経験も、自分の価値観 → 業界・職種の役割につなげれば、立派な志望理由の材料になる。
✓専攻と業界が近い人はもちろん、違う人でも「何をきっかけに、何を大事にしてきたか」を言語化すると一気に説得力が増す。
トイさん
「かっこいい志望動機を考える」よりも、「自分の経験からちゃんと説明できる志望動機を作る」ほうが、結果的に内定につながりやすいです。今日の先輩たちの答えをヒントに、自分のエピソードを1つでいいので、深く掘って言葉にしてみてください。
