スカウト型サービスや30分面接など、短い時間で“自分らしさ”を伝える場面が増えています。そのなかで、便利ワードだけ並べると一瞬で見抜かれてしまう一方、「なぜその行動をしたのか」まで語れる学生は強く印象に残ります。人事の本音をもとに、今からでも直せるポイントを見ていきましょう。
自己紹介
しゅん
自己紹介をお願いします!
すず
獨協大学3年の高橋すずかです。
しおん
中央大学3年の久保田しおんです。
青木さん
DIP株式会社で採用担当をしている青木です。
トピック①:採用したくない人の特徴は「チャレンジの基準がない人」
しゅん
まずズバッと、採用したくない人の特徴ってありますか?
青木さん
見送りになる方の特徴でいうと、「受け身」「チャレンジが苦手」「成長とか挑戦とか便利な言葉に頼っている」あたりはけっこう共通していますね。
すず
成長・チャレンジ・挑戦…全部使ってます(笑)。
青木さん
もちろん言葉自体が悪いわけじゃないんですよ。ただ、「それってどういうきっかけで変わろうと思ったの?」「あなたにとってチャレンジの基準って何?」みたいな質問をしたときに、言葉が飛んでしまう人は危ない。
青木さん
自分の中ではチャレンジだと思っていないことを“チャレンジっぽく”話していたり、人から言われたことをただやってきただけだったりするケースが多いです。
しおん
プロセスを言えないと、“便利ワードで盛ってるだけ”って見えちゃう感じですか?
青木さん
そうですね。本当に行動してきた人って、「なんで努力できたか」「何を考えて動いたか」のプロセスを具体的に話せるんです。だから、“言っていること”より“どこまで掘って話せるか”をよく見ています。
💡ポイント
「成長」「行動力」「チャレンジ」はNGワードではないが、なぜそう言えるのか・自分にとっての基準は何かを語れないと、一瞬で“浅い”と見抜かれる。
「成長」「行動力」「チャレンジ」はNGワードではないが、なぜそう言えるのか・自分にとっての基準は何かを語れないと、一瞬で“浅い”と見抜かれる。
トピック②:30秒自己PRを人事がジャッジ
しゅん
今日は、第一印象を見てほしくて、2人に30秒自己PRを用意してきてもらいました。まず、すずからお願いします。
すず
現在は休学していて、株式会社Diaryというところに長期インターンとして所属しています。自分の強みは行動力だと考えていて、その力を活かし、ダイアリーではYouTubeチャンネルを6万人から11万人に伸ばすところに関わり、1年間で100本程度の動画制作を行いました。これが私の行動力だと思っています。
しゅん
では青木さん、今の自己PRを聞いて「一緒に働きたいかどうか」、札をお願いします。
青木さん
…ごめんなさい。
すず
えっ…!(笑)
しゅん
続いて、しおんお願いします。
しおん
大学ではデータを使って人々の行動を観察する学問を学んでいて、自分の強みは分析力だと考えています。データや難しいコードを用いて分析をし、会社の業績を上げていけるような働きをしたいと思っています。
しゅん
では青木さん、しおんの自己PRも札をお願いします。
青木さん
…ごめんなさい。
しおん
ぐはっ…(笑)。
トピック③:「かなと思います」が自信のなさに聞こえる
しゅん
まず、すずの自己PRはどこがもったいなかったですか?
青木さん
声のトーンや表情は明るくていいんですけど、「強みは行動力かなと思います」という言い方で、少し自信のなさが見えました。自己PRの一番の軸のところで「かな」と濁しちゃうと、「本当にそう思っているのかな?」と感じてしまうんです。
すず
たしかに癖で「かな」をつけがちです…。
青木さん
それと、「行動力」「コミット」「貢献」みたいな抽象的なワードが並んでいて、“すずさんらしさ”がまだ出切っていない印象でした。
青木さん
数字があるのはすごく良いので、「どういう行動の仕方があなたらしいのか」まで掘ってキャッチフレーズ化できると、一気に印象が変わると思います。
しゅん
しおんについてはどうでしたか?
青木さん
「分析力で会社の業績を上げたい」という方向性は良いんですが、「データ」「難しいコード」という言い方が、まだ抽象的に聞こえました。
青木さん
たとえば、「どういうデータを」「どういう視点で」「何を改善した経験があるのか」を30秒の中に一つでも入れられると、「この子の分析力はこういう形なんだな」と伝わりやすかったと思います。
💡ポイント
自己PRの強み部分は「〜かなと思います」ではなく言い切る。抽象ワード+数字だけでなく、「自分らしい行動パターン」を一個だけでも具体的に入れると、ぐっと印象が変わる。
自己PRの強み部分は「〜かなと思います」ではなく言い切る。抽象ワード+数字だけでなく、「自分らしい行動パターン」を一個だけでも具体的に入れると、ぐっと印象が変わる。
トピック④:30分面接で学生のすべては分からない。でも「何で?」は必ず聞く
しゅん
面接って、DIPさんの場合だと1人30分くらいですよね。その時間で学生を判断するのって実際どうなんですか?
青木さん
正直、30分で学生さんのすべては分からないです。ただ当社の選考は「ここがダメだから落とす」という減点方式ではなく、「その人の良さをどれだけ見つけられるか」を重視した加点寄りのスタイルです。
しゅん
どうやって“良さ”を見つけるんですか?
青木さん
事前に「小学校から大学までの自分史」のようなアンケートを書いていただいて、その内容をもとに深掘りしていきます。
青木さん
そこで必ず「なんで?」を聞きます。「なんでその行動をしたのか」「なんでそこで努力できたのか」。この“なんで”をどこまで語れるかが、その人らしさを見る上での重要なポイントですね。
💡ポイント
30分で全ては分からない前提だからこそ、「なんでその行動をしたのか」を筋通って話せるかどうかで差がつく。自分史的な振り返りで“なぜ”を事前に言語化しておくことが大事。
30分で全ては分からない前提だからこそ、「なんでその行動をしたのか」を筋通って話せるかどうかで差がつく。自分史的な振り返りで“なぜ”を事前に言語化しておくことが大事。
トピック⑤:スカウトのプロフィールはちゃんと読んでいる?
しゅん
スカウトサービスのプロフィール文って、実際ちゃんと読んでますか?
青木さん
めちゃくちゃ読みます。
しゅん
今日は、しおんとすずのプロフィール文も読んでもらいましたが、ぶっちゃけスカウト送りたいと思いましたか?
青木さん
しおんさんのプロフィールは…正直「ごめんなさい」です。空手や塾講師としての活動内容は分かったんですが、「なんでその行動をしたのか」が見えづらかったです。
青木さん
当社として大事にしているのは「なぜ努力したのか」「なぜそれを続けたのか」という部分なので、その“なんでのらしさ”が書かれていないと、スカウトの理由を作りづらいんですよね。
しゅん
すずの方は?
青木さん
すずさんには「送りたい」です。ただ、ゴールドかシルバーかでいうとシルバーくらい。理由は「自分が変わったポイント」が書かれていたからです。
青木さん
「前はこうだったけど、今はこう変わった」というストーリーは、その人の核にある出来事なので、「もっと話を聞きたい」と思わせてくれます。もしそこに「人との関わり」など、変化のきっかけとなったヒントも少し書かれていたら、ゴールドを送りたくなっていたと思います。
💡ポイント
プロフィール文で大事なのは「何をしたか」より「なぜそうしたのか」「その結果自分はどう変わったのか」。ストーリーがあるほど、スカウトする側は“送る理由”を作りやすくなる。
プロフィール文で大事なのは「何をしたか」より「なぜそうしたのか」「その結果自分はどう変わったのか」。ストーリーがあるほど、スカウトする側は“送る理由”を作りやすくなる。
まとめ
✔️「成長」「チャレンジ」「行動力」などの便利ワードは、“なぜそう言えるのか”“自分にとっての基準は何か”までセットで語れないと、一瞬で浅さが見抜かれる。
✔️30秒自己PRの中で、強みは「〜かなと思います」ではなく言い切り、数字+自分らしい行動パターンを一つだけでも具体的に入れると印象が変わる。
✔️面接では30分で全ては分からないからこそ、「なんでその行動をしたのか」をどれだけ深く・筋を通して話せるかが、その人の“らしさ”を見るうえでの決め手になる。
✔️キミスカなどのプロフィール文では、「前はこうだったが今はこう変わった」という変化のストーリーと、そのきっかけとなった“なぜ”を書くことで、スカウトしたくなる魅力が伝わる。
青木さん
自己PRもプロフィールも、「何をしたか」より「なぜやったか・どう変わったか」を一段深く書いてみてください。それだけで、“浅さ”から一歩抜けた就活生に見え始めます。
