就活の面接って、「何を話せばいいか分からない」「自分の経験をどう伝えればいいの?」って不安になりますよね。
しかも相手はリクルートクラスの人気企業。余計に緊張してしまう人も多いと思います。この記事では、リクルート内定者・星さんの“圧倒的◎”をもらった模擬面接をもとに、会話の流れとポイントを5つのトピックに分けて解説します。「こう話せばいいのか」「こうやって深掘りされるんだ」がイメージしやすいように、会話+解説でまとめているので、自分の面接に置きかえて読んでみてください。
トピック① 自己紹介で「今まで」と「今」をつなげる
部活→休学→インターンまでを一気通貫で見せる
セカニチ:では自己紹介お願いします。
星:ありがとうございます。◯◯大学3年生の星と申します。僕はもともと中高大とハンドボールをしておりまして、本日はそういった経験をお話しできればなと考えています。2月に引退してからは休学をしていて、開発のインターンをやったり、就活系YouTube「しゅんダイアリー」を運営している会社さんで、SNS運用のインターンをしていました。本日はよろしくお願いいたします。
セカニチ:ありがとうございます。インターンの件がすごく気になったんですけど、深く聞いてもよろしいですか。
星:お願いします。インターンは主に2つやっていまして、1つは開発インターンです。2ヶ月間でコーポレートサイトのリニューアルを、フロントもバックエンドも含めてやり切るというものでした。もう1つはしゅんダイアリーという就活系YouTubeの会社で、SNSチームのマネジメントや、インスタグラムのフォロワーを1000人から1万何千人まで伸ばす取り組みなどをしていました。
セカニチ:じゃあマーケティングの中でも、SNSは結構興味ある感じですか?
星:当時はSNSも好きで、学生時代から業務委託でSNSの仕事を受けていたので興味はあります。ただどちらかというと、数字やログ、文字列を見ながら「なぜうまくいかないのか」を分析して、じゃあ次はこうやってみようと高速でPDCAを回していくことが、すごく楽しいと感じていました。
自己紹介でいきなり「長所は〜です」ではなく、これまでの流れをストーリーで見せているのがポイントです。中高大のハンドボール、引退後の休学、開発インターン、就活メディアのSNS運用という順番で話すことで、「ずっと行動してきた人」という印象を自然に与えています。また、インターンの話も「開発」「SNS」とざっくり分けつつ、それぞれで何をどこまでやったかを短く具体的に説明しているので、面接官が深掘りしやすい土台になっています。さらに、「SNSが好き」で止まらず、「数字を見て原因を考え、PDCAを回すのが楽しい」という一段深い自己理解まで言語化できているため、マーケや企画職との相性もイメージしてもらいやすくなっています。
トピック② ハンドボール部での挫折と「やり切る力」の見せ方
モチベーションギャップをどう受け止めたか
セカニチ:高校時代のハンドボールの話、もう少し詳しく聞いてもいいですか?
星:中学からハンドボールをやっていて、高校でも本気でやりたくて、家から1時間40分かかる高校に通っていました。本当は私立の強豪に行きたかったんですけど、家庭の金銭的な事情もあって、附属高校ならお金もなんとかなるだろうということで、おじいちゃんにも頭を下げて通わせてもらった形です。ただ実際に入ってみると、部員が70人くらいいたんですけど、そのほとんどがハンドボール初心者で、サッカーやバスケを挫折して入ってきた人たちばかりでした。僕はキャプテンをやっていたんですが、「勝ちたい」と思っている自分と、そこまでではないメンバーとのモチベーションギャップが大きくて、頑張っているのに試合にも勝てないし、周りとの壁もどんどん厚くなっていって、正直かなりしんどかったです。
セカニチ:そのモチベーションギャップに対しては、どう動いたんですか?
星:結果だけ見ると、全員を引き上げられたとは言えないのが正直なところです。ただ、自分なりに空気を変えようと思って、高2のときに一人で勝手に坊主にして、次の日そのまま部活に行ったことがありました。その時は同期20人くらいいたんですが、誰も坊主にはならなくて。でも、引退前には20人中18人くらいが坊主にしてくれて、「喧嘩もしたけど、お前のおかげで頑張れたわ」と言ってくれる仲間もいました。結局、結果は出せなかったので、「モチベーションを完璧に引き上げた」とまでは言えないんですけど、自分なりにやり切った経験として残っています。
王道の「部活ガクチカ」でも、星さんは単に「キャプテンをやっていました」「頑張りました」では終わらせていません。通学時間や家庭の事情、部員70人でほとんどが初心者という具体的な状況をしっかり描写することで、聞き手がイメージしやすいストーリーになっています。また、「引き上げられなかったのが正解です」と言い切ることで、結果を盛らずに話す誠実さが伝わり、「この人は嘘をつかない」という信頼につながります。坊主エピソードのような象徴的なシーンを一つ入れておくと、面接官の記憶にも残りやすく、自分の「やり切る姿勢」も自然と伝わる構成になっているのが特徴です。
トピック③ 弱みと向き合い、役割の変え方まで語る
「素直すぎる」が弱みになる瞬間
セカニチ:強みはいろいろ聞けたんですけど、逆に自分の弱みってどこだと思いますか?
星:弱みは、良くも悪くも素直なところだと思っています。人からも「素直だよね」とか「嫌なやつじゃないよね」と言われることが多いんですが、その分、人を信じすぎてしまったり、「これが正しい」と思ったら一直線に突っ走ってしまうところがあります。さっきの部活の話でいうと、「ハンドボールは頑張るもの」「部活は勝ちたいからやるもの」という思い込みが強すぎて、それを周りにも当たり前のように求めてしまった結果、メンバーとの溝が深くなってしまったと感じています。
セカニチ:その弱みに対して、どうやって対策してきたんですか?
星:僕、不器用なので、一回でガラッと変われるタイプではないんですよね。なので高校の失敗を経て、大学では「自分が全部引っ張る」ことをやめてみました。試合も「絶対自分が出たい」とかではなくて、「チームを一番うまく回せる人が出ればいい」と考えるようにしたり、「キャプテンも自分がやるべき」とは主張しなくなったりしました。実際、東東京選抜のキャプテンを自分から狙いに行くこともやめて、どちらかというとチームが勝つために裏で動く意識にシフトしていきました。時間はかかりますが、一度大きく失敗してから少しずつ改善していくやり方が、自分には合っていると感じています。
弱みを聞かれたときに、表面的な性格だけを話して終わらせず、「その弱みが原因でどんな失敗をしたか」「そこからどう行動を変えたか」までセットで語れているのが非常に強いです。「素直」「人を信じやすい」という一見良さそうな特徴も、状況によってはマイナスになることを具体的な経験で説明しているため、自己認識の深さが伝わります。また、「一度でうまく変われるタイプではない」という等身大の言葉と、「だからこそ時間をかけて役割を変えた」という行動の変化がつながっているので、企業側からすると「この人は今後も失敗しながらきちんと成長していきそうだ」とイメージしやすくなっています。
トピック④ 就活の軸と会社選び、将来ビジョンの整え方
3つの軸+人間味のある将来像
セカニチ:就活の軸って、ざっくりどんな感じですか?
星:就活の軸は3つあります。1つ目がIT領域であること。学部がネットワーク系で、開発やインフラに触れてきたので、そこを活かせる環境で働きたいと思っています。2つ目が、自分が納得できるサービスを提供している会社であることです。僕は結構嘘をつけないタイプなので、自分が「いい」と思えないサービスを売るのは難しいと感じています。3つ目が、失敗しても挑戦を評価してくれる会社であることです。僕自身、行動して失敗して改善するタイプなので、一回失敗したら終わりというよりも、チャレンジと改善を認めてくれる文化がある会社が合うと思っています。
セカニチ:学生の立場で、その3つってどうやって判断してるんですか?
星:1つ目と2つ目は、事業内容やプロダクトを見ればある程度判断できると思っています。ただ3つ目は難しいので、実際に働いている方に話を聞いたり、どのくらい新しいサービスに挑戦し続けているか、どれくらいの人が辞めてどれくらい残っているかといった定量的な情報をできる範囲で見るようにしています。全部の会社に対して完璧にはできないので、インターン選考で関わった企業さんや、OB・OG訪問などで接点を持てた企業さんを優先して深掘りしている感覚です。
セカニチ:もし地球上の全ての会社から内定が出たら、うちを選んでもらえますか?
星:その状況になったら、正直改めてちゃんと考えたいです。今、開発系の企業さんも受けていて、エラーを解決したり改善していく作業も本当に好きなので、まだ悩んでいる部分もあります。ただ、御社も含めて本気で行きたいと思って受けているのは本当です。
セカニチ:最後に、個人的な将来ビジョンってどんなイメージですか?
星:60年後、80歳くらいになった時に、家族に囲まれて死にたいというのが一番のビジョンです。そのプロセス自体は、正直何でもいいと思っています。ただ、自分の中で「ちゃんと結果を出してきた人生だった」と胸を張れるようにしたいですし、子どもの頃に感じた不満やモヤモヤを、今度は親としてちゃんと解消してあげられる存在でいたいです。そうやって子どもに尊敬される大人になって、そのうえで「この人だから会いに行きたい」と思ってもらえるおじいちゃんになれたらいいなと思っています。
就活の軸を「なんとなく3つある」ではなく、きちんと番号を振って言語化していることで、面接官が整理して聞きやすくなっています。それぞれの軸にも、学部での経験や性格、自分の価値観といった背景の理由がついているため、「その軸にリアリティがあるか」を納得してもらいやすい構成です。また、「御社が絶対第一志望です」と言い切らずに、正直に迷っていることも伝えつつ、「それでも本気で受けている」と熱量も伝えているバランス感覚が、いい意味での“駆け引き”になっています。将来ビジョンも、肩書きではなく「家族に囲まれて死にたい」「子どもに尊敬される親でいたい」という人間的な目線で語っているため、人柄や価値観の深さが自然に伝わる内容になっています。
トピック⑤ 「圧倒的◎」評価と、面接で意識すべきこと
行動量と“恋愛的な駆け引き”が効いてくる
もも:お二人とも、面接お疲れさまでした。横で聞いていて、ただの質疑応答というよりは、すごくスムーズな会話になっていましたよね。ちゃんと深掘りされているのに、星さんの人間味がめちゃくちゃ伝わる面接だったなと思いました。
セカニチ:僕も◎です。これは×出ないですね。30割です。今までたくさん面接を見てきましたけど、圧倒的◎って言っていいと思います。
星:本当ですか?嬉しいです。久しぶりの面接だったので、自分の中で軸がブレてる感覚もあって、ちょっとやばいなと思いながら話してました。ただ、そこはもう仕方ない部分でもあるので、「今の自分はこう思ってます」とかクッションを入れながら、相手にも伝わるように話すことは意識していました。
セカニチ:良かった点は大きく3つです。1つ目は、とにかく落ち着いていて会話になっていたこと。高校時代に70人のキャプテンやっていたり、いろんな場に立ってきたんだろうなという行動量が伝わりました。2つ目は、ありのままを話していたこと。嘘をつけないって自分でも言ってましたけど、話の内容も話し方もそれと一致していて、「この人の話は全部本当なんだろうな」と信頼できました。3つ目は、たくさん行動して、たくさん失敗してきた裏付けがあることですね。その上で「どう改善してきたか」まで話せていたので、「今後も伸びるだろうな」と感じました。
もも:星さんみたいにスムーズに話せて、こんなに行動してきた学生ってそんなに多くないと思うんですけど、「今後伸びてくれそう」をアピールするには、どうしたらいいんでしょうか?
セカニチ:ジャンルは本当に何でもよくて、スポーツでもアルバイトでもサークルでもいいので、とにかく行動していることが大事だと思います。行動すると、絶対に失敗が生まれるんですよね。100回行動して100回全部成功なんて絶対ありえないので、その失敗からどう学び、どう改善して次につなげたかを話せる人は、「今後伸びるな」と思われます。
「圧倒的◎」の評価は、話し方がうまいからというより、「行動量」「失敗の量」「そこからの改善」をきちんとセットで語れていたからこそ出たものです。企業が新卒に求めているのは即戦力ではなく、「今後伸びてくれそうかどうか」というポテンシャルであり、その証拠になるのが日頃の行動と、そこから生まれた失敗や学びのストーリーです。また、就活を恋愛に例え、「他の企業からもモテているけど、あなたにも本気で興味があります」という絶妙な距離感をつくれると、企業側の本気度も高まりやすくなります。その駆け引きを自然にできるようになるには、やはり場数を踏んで、面接そのものに慣れておくことが欠かせません。
星さんの面接は、完璧な答えを用意しているわけではないのに、「行動してきた量」「失敗してきた量」「そこからの改善」が一つの軸でつながっているからこそ、聞く側に強い説得力を与えていました。きれいな成功体験だけを並べるのではなく、モチベーションギャップに悩んだ話や、弱みと向き合って役割を変えた話、迷いを含んだ就活の軸や将来像まで、ありのまま言語化していることが、“圧倒的◎”につながる大きな要素になっています。
